海上保安レポート2003
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治安を維持するために


密輸・密航対策

2 平成14年の状況

[密輸事犯について]

 平成14年における摘発件数は、前年に比べ、3件増加の18件でした。主要な事例としては、警察及び税関と連携し、来日外国人からなる国際犯罪組織が関与したコカイン密輸入事件を摘発した事例(事例1参照)や、鳥取県沿岸に大量の覚せい剤が漂着した事例(事例2参照)などがあります。さらに外国と連携して、玄界灘の大量覚せい剤密輸入事件を摘発した事例(トピックス「海上保安庁のテロへの対応」を参照して下さい。)などがありました。

【事例1】

 平成14年6月、海上保安庁、警察及び税関は、南米コロンビアから鹿児島県志布志港に入港したフィリピン籍貨物船からコカインを密輸入しようとしたフィリピン人船員、受取役のコロンビア人とペルー人を麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕し、コカイン約5kgを押収しました。

 さらに、その後の捜査により、コカインの密輸入に関与したペルー人も逮捕しています。

【事例2】

 平成14年11月、鳥取県西伯郡名和町沿岸に覚せい剤7包、約208kgが漂着しているのが通行人により発見され、翌12月、名和町にほど近い大山町沿岸にも覚せい剤1包、約29kgが漂着しているのが通行人により発見されました。

●薬物事犯の摘発状況
薬物事犯の摘発状況
(注)海上保安庁が単独又は他機関と合同で薬物を押収した件数

●銃器事犯の摘発状況
銃器事犯の摘発状況
(注)海上保安庁が単独又は他機関と合同で銃器等を押収した件数

[密輸事犯について]

 平成14年においては、海上保安庁が単独又は関係機関と合同で、船舶を利用した集団密航事件を13件検挙しました。

 そのうち、11件については警察と連携して捜査を行っており、その結果、国内受入組織等の摘発に結びつくなど、国内関係機関との連携による効果が現れています。また、密航に関する国民の関心も高く、13件の集団密航事件のうち、一般からの通報により、海上保安庁・警察が検挙した事案は、6件66名でした。これは、総検挙密航者の約48%を占め、一般からの不審事象の通報が密航者の摘発に大きく結びついています。(事例3参照)

【事例3】

 平成14年7月、地元住民から「不審な船舶がいる。」との118番通報をもとに、中国鮮魚運搬船「ZHE PU YU YUN 8666」を唐津湾内にて発見しました。船内を確認したところ、船員ベットの下に入り口を有する隠し部屋から密航者と思われる男性14名、女性9名を発見し、その計23名を不法入国容疑で、また船員8名を密航助長容疑でそれぞれ逮捕しました。

 さらに、この密航事件を捜査する過程で、警察が捜査中の中国人旅券不携帯事件との関連が濃厚となり、合同で捜査を行ったところ、この旅券不携帯事件の被疑者が本件密航者を受け取りに来ていたことが明らかとなりました。警察は中国人3名を、密航者を運ぶ車輌を用意するなどした密航の予備容疑で逮捕するとともに、この事件に関与した日本人1名を同じ容疑で全国に指名手配しました。

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