治安を維持するために
密輸・密航対策
3 事犯の分析
[密輸事犯について]
平成14年に海上保安庁が薬物の押収に関与した件数は、14件(前年比4件増加)でした。覚せい剤の押収量は、大幅に増加したものの、その他の薬物については、前年と同じく押収がなかったあへんを除いて減少しました。また、銃器等の押収に関与した件数は、4件(前年比1件減少)で、けん銃2丁、空気銃1丁及び実包58発を押収しました。
平成14年に海上保安庁が摘発に関与した密輸事犯の特徴としては、前年には摘発がなかった覚せい剤の大量密輸事件及び大量覚せい剤漂着事件があったことがあげられます。
覚せい剤は、我が国で最も乱用されている薬物であり、現在は「第3次覚せい剤乱用期」として深刻な問題となっています。未だ収束の兆しは見受けられないことから、今後もこのような覚せい剤の大量密輸に対する警戒が必要です。
【最近の主な薬物・銃器事犯摘発の状況】 平成14年12月31日現在
[密航事犯について]
平成14年に海上保安庁が単独又は関係機関と合同で検挙した集団密航事件は13件、検挙者数は、密航者137名と、前年に比べ減少しました。
船舶を利用した集団密航者の国籍別検挙状況
平成8年から高水準で推移していた中国人を中心とした不法入国事犯は、日中両国の取締りの強化等により平成11年の後半からそのほとんどが小口・散発化しています。検挙件数については平成13年に増加したものの、平成14年は再び減少となりました。
この背景としては、
・外国治安機関との情報交換などによる連携強化
中国公安部及び韓国海洋警察庁との間で船舶を利用した密航事件に関し、事件発生及び関与船舶等の情報交換を実施
・警察・税関等関係機関との連携強化
平成14年に検挙した13件の集団密航事件のうち、11件が警察等の関係機関と連携して捜査を行ったことによる国内受入組織等の摘発
・中国公安部による中国国内における密航取締りの強化
中国公安部関係者によれば、平成14年4月〜6月の3カ月間に集中取締りを実施し、密航者約1,900名、密航関与者約400名を摘発
等の効果があげられます。
また、平成14年における密航手段の特徴としては、コンテナ密航が依然として活発であることがあげられます。平成14年に海上保安庁単独又は関係機関と合同で検挙したコンテナ密航は6件、47名でした。
【コンテナ密航検挙状況】
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