きれいな海のために
1 相次ぐ油流出事故等への対応
パナマ籍貨物船「CO−OP VENTURE(コープベンチャー)」*1は、台風9号の影響を避けるため、鹿児島県志布志湾内に避難して錨泊していましたが、荒天により走錨し、平成14年7月25日午後9時30分頃、付近の浅瀬に乗り揚げ、船体が折れて燃料油の一部が流出しました。乗組員19名は、救命艇で脱出を試みましたが、その際、荒天のため救命艇が同船と衝突し、損傷したため、全員が海中に投げ出されました。15名は救助されましたが、4名が亡くなりました。
海上保安庁では、対策本部等を設置し、巡視船艇・航空機、特殊救難隊及び機動防除隊を出動させ、行方不明者の捜索、浮流油及び船体の調査等を行うとともに、船主側に対して、油防除、船骸撤去等に関する指導・助言を行いました。
この結果、船主側の委託を受けた海上災害防止センター等により、流出油が防除されました。また、残存搭載油及び積荷の撤去が実施され、船骸の船首部については9月25日、船尾部については12月27日に撤去されました。
このほかにも
・ 平成14年3月31日
島根県隠岐諸島南東の領海外において発生した、漁船「第3更賜丸」とベリーズ籍貨物船「AIGE(アイガ)号」が衝突し、AIGE号が沈没するとともに、油が流出した事故
・ 平成14年10月1日
伊豆大島南東側波浮港沖において発生した、バハマ籍自動車運搬船「HUAL EUROPE(ファル ヨーロッパ)号」乗り揚げ、油が流出した事故(同年11月26日に同船から火災発生)
などが発生しており海上保安庁では、これらの事故において、巡視船艇・航空機による浮流油調査、油防除作業等を実施しました。
二つに折れたパナマ籍貨物船「CO-OP VENTURE」
*1
総トン数 36,080トン
乗組員 19名
搭載燃料油 A重油65トン、C重油837トン
積荷 トウモロコシ
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