治安を守るために
4 海賊対策のため巡視船・航空機を東南アジア海域へ派遣
マラッカ・シンガポール海峡をはじめ東南アジア周辺海域においては、近年、海賊事件が頻発しています。このため、中東から輸入される石油のように我が国の経済生活を左右しかねない物資を輸送している多数の日本関係船舶が、海賊被害の危険にさらされています。
そこで海上保安庁では、平成14年度には海賊対策としてブルネイ、インド、シンガポール、ベトナム、フィリピン等に巡視船・航空機を派遣し、海賊の発生を防ぐ抑止力とするため、東南アジア周辺海域の公海においてしょう戒を実施しました。
なお、現在の厳しいテロ情勢を踏まえ、巡視船・航空機の派遣に際しては、
(1) 寄港国関係機関との海賊・テロに関する情報交換
(2) 海賊・テロによるハイジャックを想定した日本船舶等との連携訓練
を実施するとともに、事案発生に備えた特殊部隊の即応体制をとるなど、海賊対策だけではなくテロにも備えたしょう戒を実施しています。
今回の巡視船・航空機の派遣の中で、ブルネイ、ベトナムへの派遣は、ともに初めてのことでしたが、両国の海上警備機関との意見交換や訓練を通じて連携・協力関係を構築することができました。
また、日本関係船舶との連携訓練は、(社)日本船主協会や海運会社の協力のもと、日本関係船舶がハイジャックされたという情報を受け、巡視船及び搭載ヘリコプターにより被害船の捜索を行い、特殊部隊がヘリコプターで被害船に乗り移り、犯人の制圧・逮捕をするという内容で実施しました。
制圧訓練
追跡、捕捉訓練
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