海上保安レポート2003
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事故災害対策

2 平成14年の状況

 平成14年度は、次の施策を実施し、体制の確立を図りました。

(1)油排出事故発生時における災害応急対策を迅速・的確に実施するため、関係機関と合同訓練を実施し、連携の強化を図りました。
 特に、官民合同の調整・防除機関として、全国に設置されている排出油の防除に関する協議会メンバーと合同で、海上防災訓練を実施し、関係機関相互の連絡の緊密化を図りました。

(2)有害液体物質に対する防除体制を確立するため、有害液体物質の防除手法に関する調査研究を実施し、新たな防除手法の検討を行いました。

(3)原子力災害対策として、防災基本計画に定められた海上保安庁の業務を的確に実施できる体制を確立するため、関係職員に対する研修、資機材の整備及びマニュアルの整備を実施したほか、関係機関との合同訓練に参加しました。

(4)関係機関との合同訓練等により、消防能力の向上を図りました。
 大型化したタンカー等の大規模火災に対応できる消防体制を確立するため、老朽化した消防艇3隻の代替として、15万トン級のタンカー火災に対応可能な35メートル型巡視艇(消防型)3隻が就役しました。

(5)排出油の漂流・拡散を最小限に食い止めるには、流出した油に関する漂流予測の精度を向上させることも重要です。そのため、新たに巡視船4隻に対して船舶観測データ集積・伝送システムを搭載し、現場における海潮流や風の状況をリアルタイムに収集できるようにしました。平成15年3月末現在、この船舶観測データ集積・伝送システムを搭載した巡視船は、計20隻となります。また、海上保安庁の海況データベースに水温データを取り込むなど、気象海象情報の収集体制の強化を図りました。

【東京湾における漂流予測例】
東京湾における漂流予測例
(注)上の図は東京湾の木更津沖で流出した油が、時間とともに拡散していく様子をシミュレートしたものです。

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