海上保安レポート2003
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本編

海の安全を確保するために


マリンレジャーの安全推進

3 今後の取組み

 海上保安庁では、ポスターやパンフレット等を配布し、マリンレジャーに伴う事故の防止を呼びかけるとともに、一般船舶の航行が少ない休日等に港内の一部を開放するボート天国を開催し、体験乗船やレース等を通じて、安全についての意識や技術・マナーの向上を目指しています。

 また、プレジャーボートに対する安全教育等を行うボランティア活動家である海上安全指導員の支援や、安全講習会など地域に密着した安全活動を展開している小型船安全協会との連携を進めています。

海上安全指導員による海上安全パトロール
海上安全指導員による海上安全パトロール

 さらに、マリンレジャー愛好者の自己責任と安全に対する意識の向上を図ることを目的とした、海道の旅(マリンロード)構想については、平成14年度には東京湾及び周辺海域においてモデル事業に着手しました(トピックス「海道の旅(マリンロード)」を参照して下さい。)。

 一方、マリンレジャー事故は、そのほとんどが沿岸部において発生していることから、死亡・行方不明者をできる限り少なくするため、機動救難士や救護士を航空基地に配置し沿岸救助即応体制を強化するなど、事故者を救助するために最善を尽くします。

 さらに、死亡・行方不明者の根絶のためには、民間の救助機関の協力が非常に重要であると考えています。

 現在、我が国の沿岸部において、海難救助活動を行う民間ボランティア団体として中心的な役割を果たしているものに(社)日本水難救済会があり、全国各地に1,162カ所の救難所及び救難支所を置いて、局地的な地形や気象・海象を熟知している53,179名のボランティア救助員が地元海難の救助活動を行っています。

 また、(財)日本海洋レジャー安全・振興協会では、東京湾、伊勢湾及び大阪湾並びにその周辺海域において、プレジャーボート等を対象とした会員制救助サービス(BAN*1)を運営しているほか、全国規模のスキューバダイバーを対象とした会員制応急援助事業(DAN JAPAN:Divers Alert Network of Japan)を運営しています。

 海上保安庁では、これらの活動を積極的に支援しています。

水難救済会の活動
水難救済会の活動

水難救済会の活動

 また、マリンレジャーの事故で死亡・行方不明とならないためには、先に述べたとおりライフジャケットの着用と事故の速やかな通報が非常に有効ですので、今後とも(1)ライフジャケットの常時着用、(2)携帯電話等の連絡手段の確保、(3)緊急通報用電話番号「118番」の有効活用を3つの基本とする自己救命策確保キャンペーンを官民一体となって展開するとともに、所属会員などがライフジャケットを率先して着用する「ライフジャケット着用モデルマリーナ」等を全国的に広げていくこととしています。

 海上保安庁では、大切な命を自分自身の手で守っていただくために、マリンレジャーを楽しまれる方々に、この自己救命策確保のための3つの基本の実践を心がけていただきたいと考えています。釣りをされる方等には、これに加え、事故の早期通報はもとより、同行者による救助も期待できるため、複数人数による活動を改めてお願いします。

 皆さんに安全で楽しいマリンレジャーを満喫していただけるよう、海上保安庁は、安全の面から応援していきます。

BANサービス概念図
BANサービス概念図

DAN JAPANホットラインサービス概念図
DAN JAPANホットラインサービス概念図

自己救命策確保キャンペーン
自己救命策確保キャンペーン

ライフジャケットショー(東京国際ボートショー)
ライフジャケットショー(東京国際ボートショー)

*1 BAN(Boat Assistance Network) プレジャーボート等を対象とした会員制救助サービス。
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