海上保安レポート2003
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海の安全のために


4 日本海呼称問題

 「日本海」という呼称は国際的に認められ、定着しているものであるにもかかわらず、韓国は我が国が行った植民地政策の結果改称されたという誤った根拠のもと、様々な国際会議などで「日本海」を「東海」と改称するか、それらを併記するよう主張しています。

 平成14年4月に開催された海図等の刊行機関が参加する国際水路会議においても、韓国が同様の主張を行ったことから、我が国は、韓国の主張は多くの誤りや事実誤認があるため認められない旨反論しました。

 しかし、同年8月9日、世界の海域の範囲と名称を記載したガイドライン「大洋と海の境界」の改訂を計画していた国際水路機関(IHO)は、それまで「日本海」とされていた海域の名称を白紙とする案を含む改訂草案を全加盟国に送付し、その是非を投票に付しました。海上保安庁は、直ちにこれに反対するとともに、加盟国に対して、本改訂草案が適切でないことを説明した結果、日本以外の多くの加盟国からも疑問の声が上がったため、同年9月19日、IHOは同草案を撤回しました。

 今後の同ガイドラインの改訂作業は未定ですが、海上保安庁としては、今後も「日本海」の名称が単独で明確に掲載されるよう、引き続きIHOやその加盟国に理解と支持を求めていきます。

 韓国の主張を黙殺することは、我が国が「日本海」の不当性を認めたとの誤ったメッセージを国際社会に送ることになります。また、一国の主張により国際的な海洋名が変更される悪しき前例となります。IHOの担当機関である海上保安庁としては、このような観点からも、また、海洋名の不統一により航海の安全の確保が揺るがされることからも、韓国の主張は受け入れられるものではありません。

【日韓以外で作成された地図における名称の推移】
日韓以外で作成された地図における名称の推移

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