海の安全のために
2 クリーンエネルギー化が進む航路標識
海上保安庁では、平成14年12月12日、明石海峡に国内で初めての潮流発電装置を装備した灯浮標を設置しました。
潮流発電システムは、潮流により発電機と直結した水車が回転して発電し、バッテリーを充電する仕組みです。大学などの研究機関と海上保安試験研究センターが共同で開発に取り組んだ結果、今回、国内で初めて実用化されることになりました。
また、平成15年2月4日には豊後水道にある水ノ子島灯台において、大型灯台の電源として国内で初めて大規模な波力発電と太陽光発電のハイブリッド電源システムを導入しました。波力発電装置は、海面の上下運動で空気を圧縮し、圧縮された空気が風洞パイプを通って発電機と直結したタービンを回転させて発電する仕組みです。
海上保安庁では、これまでクリーンエネルギーを利用した電源として昭和26年に風力発電装置を、昭和34年に太陽電池装置を、昭和40年には灯浮標用波力発電装置を、そして今回は、第4のクリーンエネルギーとして潮流発電装置を開発、実用化しました。このように海上保安庁はCO2の発生量を減らし、使い捨て大型電池を使用しなくてもよいようにするため、クリーンエネルギーを利用した環境に優しい航路標識の整備に取り組んでいます。
潮流発電を利用した灯浮標
ハイブリッド電源システムを利用した灯台
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