グローバル化する業務ニーズに対応するために
国際化への対応
4 フィリピン沿岸警備隊海上保安人材育成に関するプロジェクト
フィリピン沿岸警備隊は1998年(平成10年)に海軍から運輸通信省に移管され、フィリピンにおける海上保安業務を担っています。しかしながら、基本的な研修教育カリキュラムの欠如、教育訓練資機材の不足といった状況の中で救難、防災、航行安全、警備等に的確に対応できる人材の育成が困難な状況にありました。
このため海上保安庁は、国際協力事業団(JICA)のプロジェクト方式技術協力*1による「フィリピン海上保安人材育成プロジェクト」に協力することとし、平成14年7月に海上保安庁職員3名を長期専門家としてフィリピン沿岸警備隊に派遣し、プロジェクトを開始しました。これらの職員は、現地の訓練センターを拠点に「教育訓練」、「海洋環境保全・油流出防除」、「海難救助・航行安全」、「法令励行」といった各分野において、訓練コースの充実、カリキュラム開発、教育訓練資機材の整備、講師陣の強化を図るなどの技術協力を行っています。
このプロジェクトの一環として、平成14年9月には、フィリピン沿岸警備隊職員4名を研修生として海上保安庁に受け入れ、海上保安に関する教育体制等の講義や海上保安庁の各種施設見学などを行いました。
また、平成15年1月及び2月には海難救助技術に関する技術指導や教育訓練等に関するセミナーを実施するため、海上保安庁職員を短期専門家としてフィリピンに派遣しました。
海上保安庁では、このプロジェクトの実施期間である5年間にわたり、フィリピン沿岸警備隊の人材育成を全面的に支援していくこととしています。
短期専門家(特殊救難隊)による指導
短期専門家(海上保安大学校教授)によるセミナー
*1 プロジェクト方式技術協力 JICAの主要事業で、専門家派遣、研修員受入及び機材供与を組み合わせて、3〜5年の期間で集中的な技術協力を行うもので、教育機関、研究機関等が対象となります。
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