海上保安庁では、外国船舶が国際法で認められた「無害通航」や「緊急入域」以外の目的で領海内において停泊、徘徊したりしていないか、あるいは不法行為を行っていないかの監視取締りを行う領海警備を実施しています。
外国海洋調査船に関しては、我が国の排他的経済水域及び領海内で21隻を確認し、この内、中国の海洋調査船1隻と韓国の海洋調査船1隻が国際ルールに基づく事前通報を行っていないまたは事前通報の内容と異なる活動を行っています。巡視船艇・航空機が特異な行動を行っている海洋調査船を認めた場合には、継続的に監視するとともに、外務省に情報提供し、外交ルートを通じて行われる中止要求の伝達を行うなど関係省庁と連携して厳正かつ適切に対処しました。
平成19年10月には、不当な領有権主張活動を行う外国人活動家を乗せた船舶が、我が国固有の領土である尖閣諸島の領海内に不法侵入しました。海上保安庁は、現場で領海警備を行っていた巡視船等の勢力を迅速かつ的確に運用して不法侵入船舶を領海から退去させ、活動家による尖閣諸島への不法上陸を阻止しました。
一方、北方四島周辺海域では、未だにロシア官憲による日本漁船のだ捕が頻発しており、日本船舶の被だ捕事案などの発生が予想される北方四島周辺海域においては、我が国漁業者の安全確保の見地から、巡視船艇を配備し、出漁漁船に対し直接または、漁業協同組合等を通じて被だ捕の防止指導及び漁業関係法令の遵守指導を行いました。
このほか、中国が着々と進めている東シナ海における資源開発の監視活動を実施するなど我が国の海洋権益保全に努めました。