▲不法操業外国漁船への強行接舷

▲台湾漁船への警告

▲海上保安庁長官と水産庁長官による 「外国漁船取締対策会議」

　排他的経済水域内における外国人の漁業については、平成8年、国連海洋法条約の批准に併せて施行された「排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律」（EZ漁業法）により規制していますが、韓国、中国については一部の海域を除き適用を除外していました。このため、韓国や中国との間で新たな漁業秩序の構築のための交渉を進めた結果、平成11年1月には新日韓漁業協定が、平成12年6月には新日中漁業協定が発効し、韓国漁船及び中国漁船に対するEZ漁業法の適用海域が拡大されました。
　 ロシアとの間では、昭和59年12月に発効した日ソ地先沖合漁業協定に基づき漁業秩序が構築されています。なお、台湾との間では、日本側の交流協会と台湾側の亜東関係協会との間で民間漁業協議が続けられていますが、未だ取り決めは成立していません。
　 我が国の領海及び排他的経済水域内で不法操業を行う外国漁船は、巡視船艇の接近をいち早く察知して逃走したり、取締りにあたる巡視船艇や海上保安官に対する激しい抵抗を行うなど悪質・巧妙化しています。
　 平成18年の主な検挙事案として、巡視船と航空機の機動力を活かした効果的な連携により、日韓暫定水域内での操業と見せかけ、不法操業を行っていた韓国漁船を検挙した事案や、停船命令を無視し逃走を図る韓国及び台湾漁船を巡視艇による強行接舷によって捕捉・検挙した事案があります。
　 海上保安庁では、日頃から外国漁船の操業の実態把握に努め、状況に応じた巡視船艇・航空機の効率的な配備や高速・高性能化を順次図ることによって、不法操業に対する厳格な監視取締りを行っています。
　 また、平成17年から水産庁との連携・協力を強化するため、長官級による外国漁船取締対策会議等を開催し、外国漁船の取締りに関する情報の共有化などを図るとともに、不法操業根絶に向けた取組みについて意見交換を行っています。

■外国漁船の国籍別検挙隻数の推移