平成17年7月15日午前4時頃、海上濃霧警報が発令されていた三重県熊野市沖約11海里(約20km)の海上において、タンカー旭洋丸(697トン、乗組員7名)とケミカルタンカー日光丸(499トン、乗組員5名)が衝突し、旭洋丸船体の破口から、積荷の粗製ベンゼン及び燃料が流出し、火災が発生しました。
海上保安庁では、巡視船艇を現場に急行させ、消火活動にあたりました。
日光丸の乗組員は付近航行船により救助されましたが、旭洋丸の乗組員については2名が救助されたものの、うち1名が後に死亡し、5名が船内から遺体となって発見されました。
その後、旭洋丸は漂流を続け、火勢が弱まったところで、巡視船により船舶交通への影響の少ない外洋へのえい航を試みましたが、23日午後に尾鷲市の南東沖約59海里(約110km)の海上で沈没しました。
なお、7月14日から16日にかけて、太平洋沿岸海域において衝突海難事故が8件連続して発生したのに続き、22日には千葉県犬吠埼沖でも多数の死者・行方不明者が発生するという重大な海難事故が発生し、そのほとんどに内航船舶が関係していたため、海上保安庁では、日本内航海運組合総連合会に対して、海難の未然防止及び視界不良時の航行安全の確保について要請を行いました。