人命を救うために
2 福岡航空基地の機動救難士
海難及び海中転落などの人身事故の95%は、沿岸から20海里(約37km)以内の海域で発生しており、これらの沿岸での海難などに即応することが非常に重要です。
このため、平成14年10月、福岡航空基地に機動救難士4名を配置し、沿岸救助即応体制を強化しました。機動救難士とは、ヘリコプターを活用した救助技能と救急救命技能を併せ持つ言わば、海上保安庁の「空飛ぶ救急隊」です。
機動救難士は発足以来、平成15年2月末までに、38回出動しました。平成15年1月23日には福岡県津屋崎町沖の海上において、韓国籍の貨物船から左半身が動かなくなった乗組員1名をヘリコプターに吊り上げ救助し、福岡空港で待機していた救急車に引き継ぐまでの間、機内で応急手当を行いました。この乗組員は最寄りの病院に搬送され、医師による手当てを受けた後、無事退院することができました。
機動救難士は、ヘリコプターからの降下訓練や患者吊り上げ訓練のほか、病院における救急救命処置訓練等の厳しい訓練を日夜繰り返し、万一の場合に備えています。
機動救難士による吊り上げ
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