きれいな海のために

(4)西太平洋海域の海洋観測データの充実に向けた取組みに着手
 現在、地球温暖化などの地球規模の環境変動が進行しており、これらメカニズムの解明は人類にとって喫緊の課題といえます。環境変動において海洋の果たす役割は非常に大きいのですが、その詳細な実態については解明されていません。このため環境変動の傾向を明らかにするために不可欠な長期に及ぶ広範な海洋データの収集が必要です。
 しかしながら、世界各地で地球温暖化研究等に役立つ過去の貴重な歴史的海洋データが散逸、滅失しつつあることから、そのデータの発掘・救済とデジタル化を進め、広く地球環境問題対応に活用することは緊急を要すると考えられています。
 平成12年10月の第16回IOC/IODE会議*1で、平成13年から5ヵ年計画で「西太平洋海域における海洋観測データ発掘救済プロジェクト(GODAR-WESTPAC)」を実施することが決定され、我が国にリーダーシップを発揮することが求められています。
 このため、海上保安庁では、西太平洋域において滅失が心配される海洋観測データの発掘救済を行うプロジェクトを推進することとし、平成14年3月、東南アジア諸国を中心とする関係各国(12ヶ国)の海洋データセンター等の代表者及びIOC/IODE代表者による国際ワークショップを開催しました。
 この国際ワークショップでは、プロジェクトの開始にあたり、各国のデータ管理に責任を有する機関の代表者が一堂に会し、各国のデータ管理状況及びプロジェクト推進に係る課題について議論するとともに、実施計画等の詳細について検討を行いました。
 このプロジェクトが推進されることにより、西太平洋域全域の海洋データ管理体制並びに協力体制の強化が図られるとともに、成果は広く公開され、地球温暖化等の研究や環境に配慮した海洋利用開発への貢献が期待されます。


GODAR-WESTPAC国際ワークショップの様子
GODAR-WESTPAC国際ワークショップの様子


*1 IOC/IODE 会議
  IOC (Intergovernmental Oceanographic Commission )
  ユネスコ政府間海洋学委員会
  IODE (International Oceanographic Data and Information Exchange )
  国際海洋データ・情報交換委員会


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