海上保安レポート 2015

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 離島周辺や遠方海域における海上保安庁の活躍


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

1 治安の確保 > CHAPTER VI 不審船・工作船対策
1 治安の確保
CHAPTER VI 不審船・工作船対策

海上保安庁では、昭和23年の発足以来、これまで21隻の不審船・工作船を確認しています。これらの不審船・工作船は、平成13年の九州南西海域における工作船事件にみられるように、覚醒剤の運搬や工作員の不法出入国等の重大犯罪に関与している可能性が高く、我が国の治安を脅かすこれらの活動を未然に防止することは重要な課題です。

海上保安庁では、巡視船艇・航空機により不審な船舶に対する警戒監視を行うとともに、各種訓練を通じ、発見時における適切な対処能力の向上に努めています。

平成26年の現況

平成26年にあっても、不審船・工作船の活動は確認していませんが、海上保安庁では、情報収集や巡視船艇・航空機による警戒監視により、不審船・工作船対策に万全を期しています。

また、不審船・工作船への対応を主目的として整備された「2,000トン型巡視船(ヘリ甲板付高速高機能)」、「1,000トン型巡視船(高速高機能)」及び高速特殊警備船を中心に各種訓練を実施しており、平成26年12月には、若狭湾において海上自衛隊との共同訓練を実施しました。

このほか、関係機関や民間ボランティア等との情報交換を緊密に行うことにより、不審船・工作船に関する情報収集に努めています。


巡視船「つるぎ」〈高速特殊警備船〉
巡視船「つるぎ」〈高速特殊警備船〉
2,000トン型巡視船「ひだ」(手前)「あかいし」(奥)〈ヘリ甲板付高速高機能〉
2,000トン型巡視船「ひだ」(手前)「あかいし」(奥)
〈ヘリ甲板付高速高機能〉
今後の取組み

今後とも、各種訓練を通じて不審船対応能力の維持・向上に努めるとともに、関係機関等との連携を一層強化し、不審船・工作船の早期発見に努め、発見時には厳正に対処します。

海上自衛隊と不審船対処に係る共同訓練を実施!
不審船対処訓練
不審船対処訓練

平成26年12月4日、若狭湾において、海上保安庁及び海上自衛隊の船舶・航空機により、不審船対処に係る情報共有訓練、追跡訓練及び回転翼機による発着訓練等の共同訓練を実施しました。

この共同訓練は、平成11年から定期的に実施しており、今回で13回目となります。また、今回の訓練にあわせ、原子力発電所に対するテロを想定した訓練を実施しました。

海上保安庁からは、巡視船きそ(2,000トン型巡視船〈ヘリ甲板付高速高機能〉)及び巡視船ほたか(高速特殊警備船)が参加し、不審船対処に係る海上自衛隊との共同対処能力の向上を図っております。