海上保安レポート 2015

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 離島周辺や遠方海域における海上保安庁の活躍


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

1 治安の確保 > CHAPTER III 外国漁船による違法操業等への対策
1 治安の確保
CHAPTER III 外国漁船による違法操業等への対策

我が国周辺海域の豊富な水産資源を狙い、違法操業を行う外国漁船が後を絶ちません。

海上保安庁では、我が国の領海排他的経済水域の漁業秩序を維持すべく、厳格な監視取締りを行うとともに、関係機関とも連携し、外国漁船による違法操業の根絶に尽力しています。

平成26年の現況

平成26年の外国漁船検挙隻数は24隻で、前年より13隻増加しました。内訳としては、領海内で違法操業を行った外国漁船が6隻、EEZで違法操業を行った外国漁船が10隻、巡視船による立入検査を忌避した外国漁船が8隻でした。

平成26年は、小笠原諸島周辺や沖縄、鹿児島県の沖合で16隻の中国サンゴ漁船を検挙しており、平成26年の外国漁船検挙隻数は、平成25年と比べ、大幅に増加しています。

また、外国漁船による違法操業等は全国的に確認されており、これらの外国漁船に対しては、巡視船艇・航空機により停船命令を実施し、停船させた上で逮捕するなどしています。なお、停船命令に従わず逃走する外国漁船に対しては、巡視船艇により強行接舷を行い、海上保安官を移乗させ、船長を逮捕するなど、法令に則り厳正かつ的確に対応しています。

(小笠原諸島周辺海域等における外国漁船への対応については、「特集 I 小笠原諸島周辺海域等における外国漁船への対応」で詳しく説明していますので、ご覧ください。)


中国サンゴ漁船に移乗する海上保安官
中国サンゴ漁船に移乗する海上保安官
外国漁船の国籍別検挙隻数の推移
外国漁船の国籍別検挙隻数の推移
無許可操業により拿捕した外国漁船
無許可操業により拿捕した外国漁船
沖縄本島南東の我が国EEZ内において、東向け航行中の中国サンゴ漁船を相次いで検挙!!
中国サンゴ漁船を追尾する巡視艇
中国サンゴ漁船を追尾する巡視艇

平成26年12月27日、那覇航空基地所属固定翼機が、沖縄本島南東の我が国EEZにおいて、東向け航行中の中国サンゴ漁船らしき船舶を発見し、中城海上保安部(沖縄県)所属の巡視艇「しまぐも」が急行しました。当該漁船に対し停船命令を実施したところ、これに従わず逃走したことから、海上保安官が移乗して停船させ、喜屋武岬南南東93海里(約170キロメートル)において、当該漁船船長(中国人)を「排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律違反(EEZ漁業法)」により、立入検査忌避で現行犯逮捕しました。

また、12月28日にも、この海域付近において、東向け航行中の中国サンゴ漁船を発見し、同様に船長(中国人)を現行犯逮捕しています。

今後の取組み

海上保安庁では、引き続き、関係機関のほか地元漁業者等の地域住民との連携・協力を図り、情報収集・分析活動に基づく巡視船艇・航空機の効率的かつ効果的な運用を図るとともに、逃走・妨害等を行う外国漁船を停船させるために必要な能力の更なる向上を図ることにより、厳正かつ的確な監視取締りに取り組んでいきます。