▲捜査員による証拠物の確認作業 |
これらの情報を受け、巡視船「あぶくま」では聞き込みなどによる情報収集を実施していたところ、潜水業者が漁協とウニの採捕に関する契約を結び、ウニ採りの許可を得た上で、隠れてあわびを採っているという情報を入手した。
巡視船「あぶくま」では直ちに専従班を編成し、継続的な内偵捜査を開始。潜水業者が乗り組む船には、漁業協同組合の監視員があわび密漁防止のため同乗していることから密漁などできるはずがないと、当初は情報の確度を疑っていた。
内偵捜査を実施している専従班は、潜水業者のしたたかな犯罪行為を目の辺りにした。まさに、潜水業者はウニとは別に、監視員の死角となる船尾側からあわびを船上に揚げ船内に隠しているのである。監視員は全く気づく様子もない。帰港後、監視員が去った後で、潜水業者があわびの入ったバックを車に積み込むのを現認し、犯行形態を特定するに至った。
▲押収したあわび |
その後の捜査において、押収した証拠物等や県外を含めた買受人・食堂従業員・監視員・漁協関係者・金融機関など約150名の事情聴取を行うなど裏づけ捜査を行い、被疑者を追及したところ、平成17年1月から密漁あわび(4.7トン)を蓄養あわびと偽り、総金額約2,800万円の利益を得た旨自供するにいたった。
本件は「密漁は絶対に許さない」を目標に粘り強い内偵捜査が実を結んだものであり、八戸海上保安部では、引き続き取締りを強化している。