現在、台湾との漁業秩序を確立するために日本側の交流協会と台湾側の亜東関係協会との間で民間漁業協議が続けられています。同協議は、平成8年以来15回にも及び行われてきましたが、未だに取り決めは成立していません。このため、台湾漁船に対しては、EZ漁業法に基づく農林水産大臣の許可が与えられていないことから、台湾漁船による我が国排他的経済水域における操業は、全てEZ漁業法違反になり、海上保安庁、水産庁は、これら台湾漁船の取締りを行っているところです。
ところが、最近、台湾の漁業関係者が日本側の取締りによって漁業権益が侵害されているとして抗議活動を行う事例が発生しています。
平成17年6月、水産庁所属の漁業監視取締船が与那国島付近にて、台湾漁船の指導対応中のところ、附近にいたほかの台湾漁船7隻により取り囲まれるという事案が発生しました。
また、我が国の排他的経済水域における漁業取締りに対し抗議するため、台湾の蘇澳(スーアオ)の漁船50〜60隻が与那国島の北方約40km附近の海域に集結し、抗議活動を行いました。
さらには、台湾の国会議員、漁民代表などが台湾海軍の軍艦に乗艦し、当該漁業紛争海域の視察を行っています。
これらの抗議活動は、台湾が尖閣諸島の領有を主張していることによるものですが、台湾当局が根拠などとして挙げている諸点はいずれも尖閣諸島に対する領有権の主張を裏付けるに足る国際法上有効な論拠とはいえません。
台湾は、昭和43年日本、韓国及び台湾の海洋専門家が中心で行った、東シナ海海底の学術調査結果により、東シナ海の大陸棚には豊富な石油資源が埋蔵されている可能性が指摘されたのを受けて、昭和46年4月に公式に領有権を主張し始めたものであり、このような主張は、とうてい応じられるものではありません。
海上保安庁では、尖閣諸島及び周辺海域における漁業資源保護のため、引き続き、違法台湾漁船の取締りを厳格に行っていきます。
▲海上保安官の立入検査を受ける台湾漁船 |
▲逃走する台湾漁船へ強行接舷する巡視艇 |