海上保安レポート 2006

●はじめに


■TOPICS 海上保安の一年


■特集1 国際展開する海上保安庁

1. 海をつなぐ連携

2. 我が国の海洋権益保全のために

■特集2 刷新図る海保の勢力


海上保安庁の業務・体制


■本編

治安の確保

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

航海を支える


海保のサポーター


海上保安官を目指す!


語句説明・索引


図表索引


資料編


特集1 > 国際展開する海上保安庁 > 2. 我が国の海洋権益保全のために > ロシア
ロシア
 ソ連時代から続く、戦後60年を過ぎてなお解決の糸口すら見えない北方領土問題が両国の間に横たわっています。
 現在、ロシアによって不法占拠されている歯舞諸島、色丹島、国後島及び択捉島は、日本人が開拓し日本人が住み続けてきた島々で、我が国固有の領土です。
ロシア警備艇にだ捕された日本漁船
▲ロシア警備艇にだ捕された日本漁船
ロシア警備艇
▲ロシア警備艇
 北方四島を不法占拠しているロシアは、独断でこれらの島々の沿岸12海里を自国の領海と決めています。しかし、北方四島周辺海域は、水産資源の豊かなことで世界的にも有名な海域であり、しかも、根室の東端、納沙布岬から歯舞諸島の中の一つである貝殻島までの距離は3.7km、色丹島までが73km、国後島までが37km、一番遠い択捉島でも144kmしか離れておらず、小型漁船が容易に出漁できる距離にあることから、ソ連時代から現在に至るまで、ソ連・ロシアが主張する領海に無許可で侵入するなどしてだ捕される日本漁船が後を絶ちません。
 一方で、平成10年2月、日本・ロシア政府間において「日本政府とロシア連邦政府との間の海洋生物資源についての操業の分野における協力の若干の事項に関する協定」が署名され、その年の10月から北方四島周辺の指定された海域における操業が開始されています。
 北方領土の返還については、ロシア政府は依然厳しい姿勢を貫いていることから、引き続き、海上保安庁では、だ捕などの発生が予想される北海道東方海域のロシア主張領海線付近などに常時巡視船艇を配備し、出漁漁船に対し直接、又は、漁業協同組合などを通じて被だ捕の防止指導を行っていきます。