海上保安レポート 2004
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●長官からのメッセージ

■TOPICS 海上保安の1年

■数字で見る海上保安庁
■海上保安庁の体制・業務
■特集 海の犯罪・海保の対応
■本編

・海上交通の安全のために
・人の命を救うために
・安心できる暮らしと環境を守るために
・国内外関係機関との連携・協力

・海上保安庁を支える装備等
・海上保安官になるために

●海上保安Q&A
●船艇紹介
●地方探訪
●航空機の歴史


本編 > 国内外関係機関との連携・協力 > 2 > 多国間での地域的な取組み > (3)海洋環境保全のための取組み


 大規模な油流出事故は、国境にかかわらず沿岸国に広範囲に被害をもたらすことから、その対策には、周辺国の協力体制の構築は欠かすことができません。
 このため、平成6年9月に日本、ロシア、中国、韓国の4カ国は、日本海及び黄海の海洋環境保護を目的として「北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)」を採択しました。この行動計画に基づき、海洋汚染緊急時対応に関する沿岸国の協力体制の整備、環境データベースの構築、環境モニタリング等が行われ、海上保安庁は関係省庁と連携してこれらの取組みに積極的に参画しています。
 この取組みの一環として、平成15年11月、海上保安庁はNOWPAP加盟国(日本、ロシア、中国、韓国)間の油防除に関する認識、知識の共有、技術水準の標準化を図ることを目的として、「NOWPAP専門家会合」を下関市において開催しました。この会合では「NOWPAP地域OPRCトレーニング」として、国際海事機関(IMO)、国際油濁補償基金(IOPCF*1)、国際タンカー船主汚染防止連盟(ITOPF*2)等から専門家を、各国から現場調整官・監督者レベルの行政官等を招へいし、IMOモデルトレーニングコース(現場調整官レベル)に準拠した訓練を行いました。
 このほか、我が国の総合的海洋データバンクである「日本海洋データセンター(JODC*3)」を運営し、地球温暖化等の環境変動メカニズムの解明にあたり必要不可欠な長期間にわたる信頼できる国内外の海洋に関するデータを収集・管理・提供しています。最近では貴重な歴史的海洋データの散在・滅失を防ぐため、西太平洋海域における海洋観測データ発掘救済プロジェクトを推進しています。
 海上保安庁では、今後とも大規模な油流出事故に対する国際的な協力体制の構築を推進していくとともに地球環境問題の解明及び海洋環境に配慮した沿岸域の開発などに貢献していくこととしています。

NOWPAP地域OPRCトレーニング

(写真)NOWPAP地域OPRCトレーニング

国際海洋データ・情報交換システム

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