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本編 > 特集 > 3 > 2 不審船・工作船対策
現状 平成13年12月の「九州南西海域における工作船事件」の発生は、我が国周辺海域に武器を装備した工作船が徘徊し、薬物の密輸など我が国に対する重大な犯罪を巻き起こしているという不安感を国民に植え付けました。不審船・工作船の目的や活動には不明点が多く、その解明には不審船・工作船を確実に停船させて立入検査を実施し、犯罪を認めた場合には犯人の逮捕等適切な捜査活動を行う必要があり、このことが国民の安心感の醸成につながるものと考えています。 対策 海上保安庁では、これまでに21隻の不審船・工作船を確認してきましたが、今後も海上における第一義的な法執行機関として適切に対処する必要があることから、これら不審船・工作船事案を踏まえ、海上保安官の安全の確保と不審船・工作船への的確な対応が行えるよう法制面、装備面、運用面での対策の強化を進めています。法制面においては、立入検査を目的として不審船・工作船を停船させるために一定の条件の下で行われる射撃については、人に危害を与えたとしても違法性が阻却されるよう平成13年11月に海上保安庁法を改正しました。 ▲工作船の追跡 装備面においては、巡視船艇の防弾化や、遠距離からでも正確な射撃のできる武器の整備、荒天下でも迅速に対応できる高速大型巡視船の整備などを進めています。 運用面においては、防衛庁との間で共同対処マニュアルを作成し、早い段階からの情報共有や、自衛隊との間で不審船・工作船対処のための共同訓練を実施しています。 このような対策の積み重ねにより、不審船・工作船の出現に対しても厳格な対処が可能となるばかりか、未然防止にも大きな効果があるものと期待しています。 |