海上保安レポート 2021

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 現場「第一線」


海上保安官の仕事


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 海上交通の安全を守る

7 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

TOPICS 海上保安の一年 > 10 香川県坂出市与島北方沖旅客船浸水事案
TOPICS 海上保安の一年
10 香川県坂出市与島北方沖旅客船浸水事案

令和2年11月19日午後4時40分頃、香川県坂出市与島北方沖を航行中の旅客船から「漂流物に衝突して船が浸水している」と第六管区海上保安本部に118番通報がありました。旅客船には修学旅行中の小学生52名を含む計62名が乗船しており、第六管区海上保安本部は情報入手後、直ちに巡視船艇、航空機(機動救難士同乗)を現場に急行させるとともに、近隣の漁業関係者に対し救助を依頼し、また、備讃瀬戸海上交通センターからも無線により現場海域付近の民間船舶に対して救助を依頼するなど、あらゆる手段を用いて救助活動を開始しました。

旅客船の船内が浸水し、沈没が迫る中、救助協力要請を受けた漁船、民間船舶及び巡視船艇・航空機の迅速な救助活動により、同日午後5時50分頃には旅客船の乗船者全員が救助され、小学生2名を含む3名が低体温症等で病院に搬送されましたが、命に別状はありませんでした。

本海難では、日没後徐々にあたりが暗くなり沈没が迫るという緊迫した状況において、近隣の漁業関係者、民間船舶、海上保安庁という海で仕事をする者たちが「人命救助のため全力を尽くす」という崇高な理念の下、一体となって迅速な救助活動を行った結果、誰一人命を落とすことなく全員を救助することができました。

海上保安庁では、引き続き、漁業関係者、海事関係者等民間の方々との協力関係を深めるとともに、迅速かつ的確な救助活動を行っていきます。

旅客船浸水事案