「海」は、我々に多くの恵みや癒しを与えてくれるものであり、時に自然の驚異や偉大さを思い知らされる存在です。四面を海に囲まれた我が国は、古来より「海」から多くの恩恵を受け豊かな発展を遂げ、人々はそこに憧れ、感謝し、あるいは畏怖の念を抱くなど、様々な思いをはせているものと思います。
海上保安庁は、昭和23年の創設以来、脈々と受け継がれている「正義仁愛」の精神のもと、この平和で豊かな「海」における安全と治安の確保を任務として、海上におけるありとあらゆる業務を遂行しています。
さて、今回の「海上保安レポート2021」では、「現場第一線 〜the first responders and front-line actors〜」と題した特集を組みました。この特集では、現場で発生する様々な事案に真っ先に駆けつけ対応する海上保安庁の姿を紹介するとともに、職員一人ひとりが、一体感を持って事案対応を行う様子を紹介したものとなっています。
昨今の我が国周辺海域をめぐる厳しい情勢は、様々な変化が生じており、今般では、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症への対応も必要となっておりますが、引き続き、海上保安庁全職員が一丸となり、国民の皆様の期待に応えてまいります。
本書をお読みになり、海上保安庁に対するご理解が少しでも深まれば幸いです。
令和3年5月