機動防除隊は、船舶等から排出された油、有害液体物質、危険物等に対応する海上防災の専門部隊であり、平成9年に発生した「ナホトカ号重油流出事故」や「ダイヤモンドグレース号原油流出事故」などの大規模油流出事故に対応してきました。最近では「令和元年8月の前線に伴う大雨」により、住宅地に工場から油が流出した事案など陸域で発生した災害にも対応しており、令和2年7月には神奈川県川崎市にある桟橋施設から原油が流出した事故に対応したことで、平成7年の発足以来、出動件数が400件となりました。
また、機動防除隊の活動は国内だけにとどまらず、令和2年には、インド洋の島国モーリシャス沿岸において、貨物船「WAKASHIO」号が座礁、大量の重油が流出する事故が発生したことから、我が国の国際緊急援助隊・専門家チームの一員として、油防除等に関する専門部隊である機動防除隊員を含む4名を派遣し、現地では海上浮流油の調査、油防除に関する指導・助言を行い、モーリシャス等の関係各国から、高い評価を受けました。
このように機動防除隊が求められる能力は、量的、質的にも日々拡大していますが、今後もより高度な知能と技能を身に付け、対処能力の更なる向上に努めていきます。