近年、我が国周辺海域を取り巻く環境は、大変厳しい情勢が続いており、事件・事故等が発生した際、海上保安庁は真っ先に現場に駆けつけ事案対応を行っています。これら事案対応にあっては、現場における対応に加え、陸上部署においても、関係機関へ情報提供、広報対応の後方支援等を的確に実施しています。海上保安庁における業務は、これらの職員が力を結集させることで初めて成功することができます。特集3においては、現場で対応している職員のみならず、陸上部署で対応している職員の業務もご紹介します。
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特集 現場「第一線」〜the first responders and front-line actors〜
特集3 事案対応のイロハ
海保の対応、すべて見せます!!
近年、我が国周辺海域を取り巻く環境は、大変厳しい情勢が続いており、事件・事故等が発生した際、海上保安庁は真っ先に現場に駆けつけ事案対応を行っています。これら事案対応にあっては、現場における対応に加え、陸上部署においても、関係機関へ情報提供、広報対応の後方支援等を的確に実施しています。海上保安庁における業務は、これらの職員が力を結集させることで初めて成功することができます。特集3においては、現場で対応している職員のみならず、陸上部署で対応している職員の業務もご紹介します。 事案対応は、我々が支える!!
海保のスポークスマン
第十一管区海上保安本部 総務部 総務課 広報室長 海上保安庁の活動の多くは、国民の皆様が直接目にすることができない海上で行われています。広報室では、国民の皆様に当庁の活動を適切に伝え、理解と協力を得るため、積極的な情報発信を行っています。 尖閣諸島周辺海域における領海警備や大きな海難等については、情報発信に加え、報道機関からの問い合わせ対応等で日を跨ぐこともあります。それでも、国民の皆様に当庁の活動を伝える仕事にやりがいを感じており、当庁の活動が大きく報道されたときには、達成感を覚えています。 また、当管区では、地元球団やご当地ヒーローにご協力いただき118番の周知活動を行うほか、報道関係者を対象に、マリンレジャーに関する注意喚起を目的とした体験会を開催するなど、安全啓発活動にも取り組んでいます。 このほか広報室では、国民の皆様のニーズを当庁の活動に反映するため、ご意見を聞く業務も行っています。これからも、国民の皆様との窓口であることを意識して広報業務を行っていきます。 現場を「支える」エキスパート
第一管区海上保安本部 経理補給部 私は、主に会計に関する業務を行っており、具体的には、海上保安業務を行う巡視船艇・航空機に対し必要な物品・資器材を調達したり、予算を管理したりするなど、現場で働く職員をサポートしております。 私もかつては巡視船での勤務経験があり、その時の苦労は分かっておりますので、業務に対する姿勢として、「どうすれば現場の海上保安官の役に立てるか」ということを常に心がけています。よく私たちの仕事は「後方支援部門」という呼ばれ方をされますが、少しでも現場に寄り添って、ともに働く仲間を支援しようという気持ちで日々業務に取り組んでいます。 そんな中、彼らが資器材を活用し、無事に警備業務や海難救助を遂行できたという話を聞き、最前線の現場から「ありがとう」と言ってもらえた時はとても「やりがい」を感じます。 私の勤務場所は「陸上」ではありますが、今後も海陸一体となって日本の海を守っているという誇りを持って業務に取り組み、自分自身もこれから沢山の経験を積んでスキルアップしていきたいと思います。 国の緊急事態を支える!
本庁 総務部 危機管理官付 「大規模地震が発生した!」「海上で重大事故が発生した!」…など、我が国にとっての緊急事態が発生した場合、私は誰よりも早く職場へ駆けつけ、海上保安庁における対応状況を総理大臣官邸や関係機関へ速報するとともに、政府及び海上保安庁の対応方針を現場へ伝達するなど、事案対応における政府と現場部署との橋渡しを行っています。 私が普段から自分に言い聞かせていることは、ズバリ「常に備えよ」です。自然災害や事件・事故はいつ発生するかわかりませんので、どのような状況でも直ちに出勤できるよう、プライベートでの過ごし方は特に気をつけています。私は趣味で週末にランニングをしていますが、コースは職場周辺(皇居ラン)に設定しているほか、職場へ駆けつけるためのタクシー代をポケットに忍ばせています。 海上に限らず、国の緊急事態の態様は様々であり、時には複雑な対応を求められることもありますが、政府対応の1ピースとして動いているという強い実感がわき、危機管理の行政官として、現場部署とはまた違った達成感を得ることができます。 これからも、夜間、休日、デート中…常に備えて参る所存です。 「次」の海保を考える
本庁 装備技術部 技術開発調整官 私は、現場からの要望や開発提案を基に、新たな装備品の開発や現有装備品の仕様変更等の企画立案や試作品の製造・実証試験を担当しています。 普段の業務では、最大限要望に応えるため、寄せられたすべての提案に目を通し、どうすれば要望を実現することが可能となるのか検討を重ねて設計・試作に加え設計段階から実際に使う職員の目線で考えることを信条としています。 技術的な理由等により開発困難となるケースでは、力及ばず申し訳ない気持ちになります。一方で、現場職員のアイディアから生まれた「曳航器材*(特許申請中)」の実証試験で良い結果が得られた時や、完成品の現場配備の見通しが立った時は、本当に嬉しかったです。 *曳航器材:事故や故障により自力航行できなくなった水上バイクやミニボートを、迅速かつ安定した状態で曳航救助するための救助器材です。現場に駆け付けた職員が曳航ロープを取り付けるために海中に入る必要が無く、高度なロープワークも不要なため、作業負担の軽減も期待されています。 |