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1 治安の確保
ChapterVII 不審船・工作船対策
海上保安庁では昭和23年の発足以来、これまで21隻の不審船を確認しています。その中でも、平成11年、13年の不審船・工作船の事案は、多くの国民の注目を集めました。不審船・工作船については、例えば平成13年の九州南西海域不審船事案では、捜査の結果不審船が覚せい剤の運搬及び受け渡しのために行動していた疑いが濃厚とされました。
海上保安庁は、我が国周辺海域における不審船・工作船の活動を未然に防止するために、巡視船艇・航空機による不審な船舶に対する監視・警戒を強化するほか、発見時にはこれを確実に停船させて立入検査を実施し事案の解明に努め、海上の安全の確保と秩序の維持を目指します。
平成22年の現況
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▲不審船追跡・捕捉訓練 |
北朝鮮による核実験、ミサイル発射、韓国哨戒艦撃沈や韓国延坪島砲撃等の一連の行為により、朝鮮半島情勢は緊迫した状況となっており、依然として予断を許さない状況であることから、我が国周辺海域において、不審船・工作船の活動を阻止するため、巡視船艇・航空機により監視・警戒を実施しました。結果として、平成22年には、特に不審な船舶の活動は確認していません。
また、不審な船舶を発見した場合に備え、不審船・工作船への対応を主目的として整備された「2,000トン型巡視船(ヘリ甲板付高速高機能)」、「1,000トン型巡視船(高速高機能)」及び高速特殊警備船を中心に、各種訓練を実施しました。
このほか、関係機関等民間ボランティアとの情報交換を緊密に行うことにより、不審船・工作船に関する情報収集体制の強化を図りました。
今後の取組み
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▲平成13年九州南西海域不審船事案における威嚇射撃状況 |
今後とも各種訓練を実施するとともに、関係機関等との連携を一層強化して、不審船・工作船の早期発見に努め、発見時には厳格に対処していきます。また、不審船対応能力の維持・向上に努めていきます。
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