海上保安レポート 2011

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 新たな海洋立国に向かって


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 領海等を守る

3 生命を救う

4 青い海を護る

5 災害に備える

6 海を識る

7 交通の安全を守る

8 海を繋ぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編


おわりに

特集 新たな海洋立国に向かって > III 広がる日本の「海」 > 1.「大陸棚」を広げる
特集 新たな海洋立国に向かって
III 広がる日本の「海」
1.「大陸棚」を広げる

国連海洋法条約では、大陸棚の範囲について、海底の地形・地質が一定の条件を満たす場合、国連の勧告に基づき、200海里を超えて大陸棚の限界を設定することが可能とされています。そのためには、海底の地形・地質に関する科学的調査データ等を国連の大陸棚限界委員会へ提出し、審査を受ける必要があります。

海上保安庁では、昭和58年から大陸棚調査を進めており、25年間かけて蓄積した調査結果が、我が国の大陸棚延長申請に大きく貢献しました。


■日本が申請した大陸棚の範囲
日本が申請した大陸棚の範囲
 
■海上保安庁の大陸棚調査の進捗状況
海上保安庁の大陸棚調査の進捗状況

本格調査の開始

平成13年、世界で初めてロシアが大陸棚延長を国連に申請しましたが、データ不足が指摘されるなど、厳しい審査水準が明らかになりました。

このため我が国では、より高度な調査を大規模に推進するため、平成16年8月に、内閣官房副長官を議長とする「大陸棚調査・海洋資源等に関する関係省庁連絡会議」を設置するなど、政府一体となって取り組むことになりました。

このうち調査については、関係省庁が分担して実施することとなり、海上保安庁では、平成16年から大型測量船2隻を専従させ、平成20年6月までに調査を終了しました。


■大陸棚調査に関する年表
大陸棚調査に関する年表

国連への延長申請

これら調査結果に基づき、日本の国土面積の約2倍にあたる74万km2(7海域)を、平成20年11月に大陸棚限界委員会に延長申請しました。

我が国の申請に対する大陸棚限界委員会の審査は、平成21年9月に開始されましたが、審査には2〜3年かかると予想されています。

現在、有識者で構成される専門家グループを中心に審査への対応が行われていますが、海上保安庁も関係省庁と連携し、これに協力しています。


■大陸棚の審査の流れ
大陸棚の審査の流れ