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1 治安の確保
COLUMN Vol.03
映像解析技術で事件を解明!海上保安試験研究センター 海上保安試験研究センター(立川市)では、当庁業務で使用する資機材等の試験研究のほか、全国の部署から送られてくる海上犯罪に係わる証拠物等の分析鑑定業務を行なっています。 鑑定依頼は、海洋に不法排出された油類、水銀等の有害物質を含む工場排水、事故現場に残された船舶塗料、覚せい剤等の違法薬物、航海計器のデータ解析等様々ですが、中には犯行現場のビデオ映像についての解析依頼もあります。 一昨年、大量の自動二輪車用タイヤが港内に不法投棄されるという事件が発生しましたが、映像解析技術が事件解明に大きく寄与し、容疑者の特定、検挙につながりました。 この解析では、夜間撮影されたビデオ映像に記録された走行車両のナンバーを読み取る必要がありましたが、提供された映像は、光量不足、斜めからの撮影、ピントのズレに加え、ナンバーが画面の一部にしか映っていなかったため、作業は困難を極めました。 まず初めの作業として、映像の鮮明化を行いました。一般的にはコマ画像を重ね合わせて処理しますが、今回は各コマ画像に映ったナンバーの形状、大きさ及び位置が全て異なっていたため、各コマ画像のナンバー部分を切り取り、形状等が同一になるよう加工し、それらを重ね合わせて鮮明化を図りました。その後、ある程度鮮明となった画像に、ナンバープレートで使用される字体の形状を反映させ、ようやくナンバーを読み取ることができたのです。 このように、海上保安試験研究センターでは、各分野の最新技術を駆使して、治安の確保や日本の海を守るため、現場で活躍している海上保安官を科学捜査の分野から支えています。 |