▲ロランC局のアンテナ倒壊処分 |
ロラン(LORAN)Cは、地上にある複数の電波局がそれぞれ電波を送信し、船舶がそれを受信することで、船舶が自らの位置を把握する無線測位システムの1つです。
しかし、衛星を利用したGPS技術の普及により、南鳥島周辺海域においてロランCの利用者は減少しています。これを受けて、平成21年12月1日に海上保安庁は南鳥島に設置されていたロランC局を廃止しました。
南鳥島ロランC局は、平成5年10月に米国沿岸警備隊から移管を受けて以来、20日間交替で職員が滞在することにより管理されてきました。本土から約2,000km離れた絶海の孤島に位置する南鳥島では、無線設備の運用・保守だけではなく、生活に欠かせない電気、水道等のライフラインを確保する必要があります。職員自らが、施設の維持・管理をするなど、過酷な勤務環境において苦労を重ね、航行船舶の安全確保に寄与してきました。
これらの功績が認められ、12月には南鳥島ロランC局を管轄する千葉ロランセンターは、人事院総裁賞(職域部門)を受賞しました。
その後、平成22年1月24日には長きにわたって電波を発射していた南鳥島ロランC局の高さ213メートルのアンテナが撤去されました。