海上保安レポート 2009
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はじめに


TOPICS 海上保安の一年

特集


海上保安庁の任務・体制


■本編

治安の確保

領海等を守る

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

交通の安全を守る

海を繋ぐ


目指せ!海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編


本編 > 治安の確保 > 5. テロ対策
治安の確保
5. テロ対策
目標
 平成20年11月にインドのムンバイにおいて、卑劣かつ悪質な連続テロ事件が発生し、日本人1名が死亡するなど多くの方が犠牲となりました。国際的なテロ組織が依然として暗躍を続ける情勢のなか、テロの未然防止は国民の安全な生活を守るための喫緊の課題です。海に囲まれた我が国においては、国際港湾や沿岸部といった水際でのテロ対策が非常に重要になります。海上保安庁では、海上におけるテロの未然防止に万全を期します。
平成20年の現況

平成20年には、我が国において、北海道洞爺湖サミット及び関連閣僚会議が開催されました。海上保安庁では「海上保安庁北海道洞爺湖サミット等海上警備対策本部」を設置して海上警備にあたりました。(詳しくは、TOPICS 6. 北海道洞爺湖サミット等の海上警備をご覧ください。)

旅客船への警乗
▲旅客船への警乗

このほか、臨海部の原子力発電所や石油備蓄基地、米軍施設、港湾や航路等において、海上におけるテロに備え、巡視船艇・航空機による監視・警戒を行いました。また、人の往来が活発となるゴールデンウィークや夏休み、年末年始といった期間には、旅客船・カーフェリーを対象とした警乗や旅客ターミナルの警戒を重点的に実施しました。

また、「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(国際船舶・港湾保安法)」に基づき、入港する船舶に対する規制を厳格に実施しています。平成20年においては、 保安措置(船舶に義務付けられた自己警備)が的確に講じられているかを調査する必要があると認めた船舶4,341隻に対して立入検査を実施し、テロが発生するおそれの有無について確認を行った結果、問題のある船舶は認められず、入港禁止等の強制措置に至った事例はありませんでした。

国際港湾においては港湾危機管理(担当)官を中心に関係機関等と連携した間隙のない水際対策の実施が推進されており、平成20年10月には福岡県において警察や消防等の6機関によるテロ対策合同訓練を実施しました。また、テロの未然防止のためには民間との連携が重要であり、海上保安庁では、海事関係者や事業者等に自主警備の強化を働きかけるとともに、不審情報の提供依頼をしています。

テロ対策訓練
▲テロ対策訓練
今後の取組み
「国際船舶・港湾保安法」に基づく立入検査
▲「国際船舶・港湾保安法」に基づく立入検査

今後とも国内外のテロ情勢に応じたテロ対策の見直しや現場要員の確保を推進し、関係機関と緊密な連携を図りながらテロの未然防止に取り組んでいきます。

また、各種訓練の実施によりテロへの対処能力の向上に努めるとともに、船舶に対するハイジャック等高度な知識・技能を必要とする事案に対しては、特別な訓練や研修を受けたテロ対処部隊を迅速に投入するなど、万全を期していきます。