▲密漁漁獲物(なまこ) |
▲密漁船 |
平成20年の密漁事犯の送致件数は1,886件で、前年に比べ117件増加しました。平成20年の密漁事犯の特徴としては、5月に唐津海上保安部(佐賀県)が、潜水器を 使用してさざえ等の密漁を繰返していたグループ5名を逮捕した事例等に見られるように、あわびやさざえ、なまこといった高額な海産物を狙った密漁について、犯罪の悪質・巧妙化と再犯性が進んでいることが挙げられます。このように悪質な密漁が後を絶たない一因として、これまでの漁業調整規則は、罰則の上限が低いので、密漁で得られる利益に比べて違反者に科される刑罰が低く、犯罪の抑止力が弱かったことが挙げられていました。このような状況に対応するため、平成19年6月に漁業法及び水産資源保護法が改正され、知事許可漁業の無許可操業など悪質な違反に対する罰則が強化されました。この改正で6月以下の懲役又は10万円以下の罰金であった罰則が、3年以下の懲役又は200万円以下の罰金に引上げられました。唐津海上保安部による密漁グループの逮捕は、改正漁業法を適用したはじめての逮捕事案となりました。