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はじめに
今年、海上保安庁は創立して61年目になりました。新たな船出の年です。皆さんの期待に応えるべく、海上保安庁は日本の未来に向けて適切に舵を取っていきます。 日本の領海及び排他的経済水域は世界第6位の広さ、海岸線の長さも世界第6位です。海上保安庁は、そのような広大な海域において、海洋の秩序維持、海難の救助、海上防災、海洋環境保全、海上交通の安全確保などの業務に取り組んできました。 この中でも、海上交通の安全確保は、設立当初より一貫して行っている重要な業務の一つです。昨年、交通政策審議会において、新交通ビジョン「海上交通の安全確保に向けての新たな展開」がとりまとめられ、海上保安庁が海上交通安全行政の担い手として、新たに果たすべき役割と方向性が示されました。本レポートでは、特集1として、新交通ビジョンの内容を踏まえた新たな海上交通安全に関する施策を取り上げました。 海上保安庁では、特集1のように、船舶が事故を起こさないよう、様々な施策に取り組んでおりますが、その一方で、船舶の衝突や乗揚げ事故に伴う油の流出などの事故災害は後を絶ちません。また、台風や地震などの自然災害も発生しています。そこで、特集2では、これら事故災害への対応や、昨年発生した岩手・宮城内陸地震への対応といった防災対策について記載しました。 このレポートでは、以上3つの特集のほか、海上保安庁の業務全般についてご理解いただけるよう、様々なテーマについて記載しております。海上保安庁がその責務を果たしていくためには、皆さんのご支援が不可欠です。このレポートを読んでいただいた方の海上保安庁に対する理解が深まることを願って止みません。 現在、世界が同時に不況に入りつつあり、日本もまた同様であります。このような状況における海上保安庁の役割は、国民が安全で安心して利用・活用できるような海を実現することです。今後とも海上保安庁は、職員一人一人が「正義・仁愛」の精神のもと、課された業務を全うし、国民の安全・安心な生活を守ります。 |