●海上犯罪送致件数の推移

●海上犯罪送致件数（平成20年）

平成20年の海上犯罪の送致件数は8,021件で前年より545件増加しました。その内訳をみると、海事関係法令違反3,969件（全体の49.5％、前年より504件増加、以 下同じ）、刑法犯1,171件（14.6％、38件増加）、海上環境関係法令違反639件（8.0％、13件減少）、漁業関係法令違反1,932件（24.0％、99件増加）となっています。

最も高い割合を占める海事関係法令違反には、船舶検査を受けていない船舶を航行させた無検査航行や海技士としての資格を持たないで船舶を運航する無資格運航等 が見られます。

刑法犯については、船内での殺人や傷害、窃盗といった犯罪のほか、船舶の衝突や乗揚げといった船舶の往来に危険を生じさせる罪や海難により人を死傷させる罪等があげられます。

また、海上環境関係法令違反には、海への油の不法排出や廃船の不法投棄といった事犯が見られるほか、漁業関係法令違反については、日本人による密漁事犯や外国漁船による不法な漁業活動等が見られます。

このほか、銃器や薬物の密輸事犯といった銃器薬物関係法令違反を14件、密入国といった出入国関係法令違反を14件検挙するなどしています。

平成20年12月には、国民が安全で安心して生活することができる良好な治安を実現することを目的とした政府の行動計画である「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」が策定されました。海上保安庁では、海上の治安の確保という責務を全うするため、巡視船艇・航空機による監視取締りや海上犯罪に関する情報の収集・分析を行うなど、政府の一員として、治安の確保に努めています。

●海事関係法令違反の送致件数の推移

●刑法犯の送致件数の推移