我が国は、4つのプレートが複雑に接する場所に位置しています。これらのプレート同士の押し合いで地殻の歪みが発生し、歪みが限度を超えると巨大地震がプレートの境界で発生すると考えられています。近い将来に発生が懸念されている宮城県沖の地震も、日本海溝の東側の太平洋の海底を構成する太平洋プレートが、日本海溝の西側で東北地方も載っている北米プレートの下に沈み込む際の摩擦で歪が生じて起こると考えられています。
海上保安庁では、平成13年、宮城県沖に海底基準点を設置し、地殻変動の観測を始めました。平成16年までの観測結果をまとめた結果、海底基準点が一年に約8cm西北西に移動していることが明らかとなりました。この辺りの海岸付近は一年に約4cm西北西に移動していますので、海底基準点と海岸の間の地殻(北米プレート)が毎年4cmずつ圧縮されていることが初めてわかりました。海域の地殻の歪みが計測されたのは世界で初めてです。