海上保安レポート 2020

はじめに


TOPICS 海上保安庁、この1年


特集 海上保安庁新時代


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 海上交通の安全を守る

7 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

TOPICS 海上保安庁、この1年 > 11 官民連携による大型タンカー等の沿岸への乗揚げ防止に向けて
TOPICS 海上保安庁、この1年
11 官民連携による大型タンカー等の沿岸への乗揚げ防止に向けて

平成30年8月、台風が接近する中、千葉県野島埼沖を航行中の大型タンカー(総トン数:約16万トン)が機関室の火災により自力航行不能となり、漂流する事案が発生しました。陸岸への乗揚げを防止するため、巡視船による曳航を試みたものの、荒天の影響等により曳航資機材の能力を超え、困難であったため、民間企業をはじめ海事関係者等と早急に調整を図り、大型タグボートによる曳航等により乗揚げを食い止めました。

万が一、大型タンカーが乗り揚げて、積荷である原油が大量に流れ出た場合、環境破壊や付近住民への健康被害、物流への影響等甚大な被害が発生する可能性もありました。

この事案を受け、海上保安庁では、国の機関や民間企業との意見交換を行うとともに、令和2年3月には、官民連携による大型タンカー(総トン数:約16万トン)の曳航訓練を相模湾において行い、大型船に対する曳航救助方法や救助体制を確認しました。また、巡視船に搭載する曳航資機材の充実を図っているところです。

海上保安庁では、今回の訓練の結果も踏まえ、引き続き、盤石な海難救助体制の確保に努めていきます。

巡視船による大型タンカーの曳航訓練状況

巡視船による大型タンカーの曳航訓練状況

多数のタグボートに曳航される自力航行不能の大型タンカー

多数のタグボートに曳航される自力航行不能の大型タンカー