令和元年11月1日、海上保安庁では、聴覚や発話に障がいを持つ方を対象に、海上保安庁への緊急時の通報が可能となる「NET118」サービスを開始しました。
これまでは、118番通報は音声通話にのみ対応しており、聴覚や発話に障がいを持つ方にとって、利用が難しい状況でしたが、氏名、住所等の情報を事前に登録することで、スマートフォン等を使用した手入力操作による通報が可能となりました。これは、平成29年、聴覚障がい者の方のみが乗り組んだプレジャーボートが転覆した事案を契機として、聴覚や発話に障がいを持つ方でも、118番通報を容易に行うことができ、当庁が迅速に救助等を行えるような通報サービスの検討を進めてきたものです。
今後とも、皆様が安全に安心して海で過ごせるように、海難救助の体制整備に努めていきます。
通報要領
救助事例
令和元年12月28日、呉海上保安部(広島県)管内において聴覚に障がいを持つ方がプレジャーボートを運航中にエンジンが故障し、海上保安庁に対して「NET118」を通じて救助要請があり、この「NET118」により海上保安庁運用司令センターとチャット形式で救助の手順等を調整しました。その後、海上保安庁の救助艇が現場に到着し、筆談による体調確認等を行うとともに、プレジャーボートを曳航し、乗組員を救助しました。
曳航の様子
救助の状況