海上保安レポート 2013

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 領海・EEZを守る海上保安庁


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

目指せ! 海上保安官 > 活躍する女性保安官!
目指せ! 海上保安官
活躍する女性保安官!

海上保安庁というと、海上で体を使う業務が多く、「男の職場」というイメージが強いかもしれませんが、昭和54年から女性職員の採用をはじめて以降、徐々に活躍の場を広げ、平成25年4月1日現在、663人の女性職員が全国各地で海上保安業務を行っています。

女性も、男性と同様にその能力や適性に応じた役職で業務を行います。最近では、巡視艇の船長や航空機の機長といった重要な役職を務めるだけでなく、ヘリコプターから降下して救助活動を行う「降下員」や重要施設等の警備を主任務とする「警備実施等強化巡視船」の乗組員等、現場の最前線で活躍する女性保安官も増えています。

海上保安庁では、巡視船艇や保安部署に女性用の施設を充実させ、女性にも勤務しやすい環境を整えるとともに、勤務時間を短縮する「育児時間」制度を設けることで、仕事と家庭の両立を支援しており、子育てをしながら仕事を行う女性職員も増えてきています。また、平成22年4月からは、結婚や出産、育児、介護等の理由で一度退職した職員の再採用も実施し、海上保安庁で活躍したいと考えている女性海上保安官が働きやすい環境作りを推進しています。

女性保安官の声
女性保安官

私は2児の母で、夫婦で海上保安官です。

海上保安大学校を平成8年に卒業し専攻科を修了後、巡視船主任航海士を3年、海上保安大学校教官を1年、本庁係員を2年、巡視艇船長を2年、本庁係長を1年半勤務したところで子どもを出産し、3年半の間、育児休業を取りました。22年4月からは夫が交替で1年間の育児休業を取り、私は管区本部課長補佐として職場復帰しました。23年4月からは夫も職場復帰したため、私は、育児支援制度を利用し終業時刻を早め、子どもを保育園にお迎えに行きました。24年4月からは地元の海上保安部で、実家の両親に子どもを見てもらいながら、課長として働いています。

海上保安庁に女性が採用されてから30数年がたちますが、多くの方が結婚や出産を機に退職されています。結婚しても勤務地が違えば夫婦で同居できるとは限りませんし、育児と仕事の両立は、実際に大変だと思います。でも私は、育児支援制度を活用し、家族と職場に協力してもらいながら、仕事を続けることができるのではないかと考えています。私の目標は、定年まで働くことです。この目標を達成したときには、「結婚しても、子供を産んでも、海上保安官は続けて行けるよ」と自信を持って言えると思っています。一緒に頑張ってみませんか。

再採用制度について

海上保安庁では、かつて海上保安官として勤務し、結婚、出産、育児等の理由で退職した元職員(性別不問)を対象として、再採用を行っています。再採用された職員は、通常の採用と異なり、当庁教育機関での訓練、教育を受けずに、そのまま勤務地へと配属されることとなります。

平成25年4月の選考では、9名の職員(うち女性8名)が再採用され、全国各地で様々な業務に従事しています。


再採用職員の声
再採用職員

私は、平成15年の結婚を機に、仕事と家庭の両立は難しいと考え退職しましたが、近年、両立できる職場環境が整いつつあると聞き、平成22年に再採用制度を利用して、職場へ復帰することにしました。

再採用後は第四管区海上保安本部へ配属となり、巡視船勤務などで勤務しました。現在は子育てをしながら総務課で業務に携わっていますが、海上保安庁の職場環境が女性職員の選択肢に対応した環境になりつつあることを改めて実感しています。