海上保安レポート 2013

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 領海・EEZを守る海上保安庁

  1. 海洋に関する国際的なルールと海上保安庁の領海警備等
    1. 海洋に関する国際的なルール
    2. 海上保安庁の領海警備等
  2. 尖閣諸島周辺海域における対応
  3. 海上保安体制の強化

海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

特集 領海・EEZを守る海上保安庁 > I 海洋に関する国際的なルールと海上保安庁の領海警備等 > 1.海洋に関する国際的なルール
特集 領海・EEZを守る海上保安庁
I 海洋に関する国際的なルールと海上保安庁の領海警備等
1.海洋に関する国際的なルール

海には、「海の憲法」と呼ばれる「海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)」等に基づき、様々なルールが定められています。

主な海の区分と沿岸国の管轄権
1 領海

沿岸国は、領海基線から12海里(約22km)を超えない範囲で「領海」を設定することができます。

領海には、沿岸国の主権が及び、領海にある船舶には、沿岸国の国内法令一般が適用されますが、外国船舶は無害通航権を有します。

*:沿岸国の平和、秩序又は安全を害さない限り、沿岸国に妨げられることなくその領海を通航する権利。


2 接続水域

沿岸国は、領海に接続する水域で、領海基線から24海里(約44km)を超えない範囲で「接続水域」を設定することができます。

接続水域では、自国の領土、領海内における通関上、財政上、出入国管理上、衛生上の法令違反の防止・処罰に関する規制を行うことができます。


3 排他的経済水域(EEZ)

沿岸国は、領海に接続する水域で、領海基線から200海里(約370km)を超えない範囲で「排他的経済水域(EEZ)」を設定することができます。

EEZには、沿岸国の天然資源(漁業資源、鉱物資源等)の探査、開発等のための主権的権利や、海洋の科学的調査、海洋環境の保護・保全等に関する管轄権が及び、沿岸国はこれらに関する規制を行うことができます。


4 公海

いずれの国の領海EEZ等にも含まれない海洋の全ての部分で、公海にある船舶には、海賊行為等を行っている等の極めて限定的な船舶を除き、旗国主義に基づく管轄権のみが認められています。

*:船舶は原則として船尾に当該国の国旗を掲揚しなければならず、公海にある船舶はその旗国の管轄に属するという国際法上の原則。


■我が国周辺海域図
我が国周辺海域図
公船に対する管轄権の免除等

公船は、公海上では旗国以外のいずれの国の管轄権からも完全に免除されています。また、一般的に、公船は、領海内においても国際法上の免除を有しますが、国連海洋法条約に基づき、沿岸国は、無害でない通航を防止するため、自国の領海内において国際法上許容される範囲で必要な措置をとることができます。