海上保安レポート 2010

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目指せ!海上保安官 > Column Vol.12 菅島灯台が国の有形文化財へ!!
目指せ!海上保安官
Column Vol.12
菅島灯台が国の有形文化財へ!! 第四管区海上保安本部
菅島灯台
菅島灯台

中世ヨーロッパの古城の塔、ロールプレイングゲームで主人公が扉から出て来そうな灯台と言えば、三重県鳥羽市沖の菅島にある菅島灯台(明治6年7月1日に点灯)です。

その菅島灯台が、平成22年2月3日に国の有形文化財に登録されました。

灯台が国の有形文化財に登録されるのは、美保関灯台(島根県)についで2番目となります。

古城の塔のような灯台ですから、設計者は英国人技師(リチャード・ヘンリー・ブラントン)、そして明治初期建設のため、ヨーロッパ式の建築資材、建築方法などの知識が当時の日本には無いことから、レンガの作り方から建築方法等まで、一から指導したと聞いています。

当時このようにして、完成した菅島灯台の竣工式には、古文書などの書類記載等は発見されていませんが、参議であった西郷隆盛、他多数の政府高官が列席し、盛大に式典が挙行されたと言われています。

文明開化の始まりとともに菅島に最新の文明を持ち込んだ灯台は、驚きと畏敬の念を与え、長年にわたり島民に愛されることとなり、島には灯台を模したデザインの小学校校舎も造られ、その児童らが灯台周辺に造った花壇では、1月から2月にかけて水仙がきれいに咲き乱れています。また、小学生による島内を案内する島っこガイドが灯台と小学校との関わりについてのクイズを交えながら案内するなど、菅島灯台は島の象徴となっています。

なお、同時期に建設された当時のヨーロッパの生活観が色濃く残る灯台官舎は、現在愛知県犬山市の博物館に移築されており、昭和43年に国の重要文化財に登録されるとともに、京都府舞鶴市のレンガ博物館にも当時のレンガが展示されています。