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目指せ!海上保安官 > Column Vol.11 巡視船「そうや」女性降下員初出動!!
目指せ!海上保安官
Column Vol.11
巡視船「そうや」女性降下員初出動!! 第一管区海上保安本部 私は、平成21年1月から降下員として厳しい訓練を重ねてきました。 降下員の任務は、機動救難士といった救助勢力の確保が難しく、巡視船艇等では迅速な救助が困難な場合に、ヘリコプターから船に降下し、要救助者の吊り上げ救助を行うことです。潜水士のように海に潜ることはなく、ヘリコプター搭載型巡視船や航空基地の職員が、訓練を経て任務にあたります。 吊り上げ救助は、ヘリコプターのクルーと降下員が一体となって、また降下員同士が息を合わせてひとつひとつの動作を確実、安全、迅速に行わなければなりません。 私が降下員を希望したのは、救難業務に興味があり、ヘリコプター搭載型巡視船に配属されたからには、そこでしかできない業務に携わりたかったことと、女性の要救助者がいた場合、同じ女性である自分が降下して、少しでも安心させることができたら良いと思ったからです。 同年10月1日に実働降下員(訓練ではなく実際の海難に出動出来る降下員)に指名され、その2日後に貨物船の負傷者を吊り上げ救助し病院に搬送するという実働の機会が訪れました。 ついに訓練の成果を出せる時が来たという思いの反面、見えない重圧で汗を一杯かきました。機体が空に舞い、負傷者の待つ船に到着、吊り上げ降下地点を決定、1番員が先行した後、2番員として降下、負傷者と同時に吊り上がるというミッションでした。 初めは頭の中が真っ白でしたが、日頃の訓練は確実に自分の体に染み付いており、吊り上げ作業は落ち着いてしっかり出来ました。ヘリコプターに収容された負傷者のホッとした顔を見たとき、必死に訓練をしてきて良かったと心の底から思えました。 今回の救助は第一管区管内で、初の女性降下員による吊上げ救助だったそうです。 必要とされる機会にその期待に応えられるように、どんな状況にも冷静に確実な動作をとれるようになりたいと思っています。平成生まれの女性降下員として「努力は裏切らない!」をモットーに元気いっぱいこれからも訓練に励みます。 (巡視船「そうや」主計士補 清水 希枝)
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