◆海上保安大学校見取り図 |
|
海上保安大学校は、将来の海上保安庁の幹部候補となる職員を養成するための教育機関です。
カリキュラムは文部科学省の大学設置基準に準じており、卒業時には日本で唯一の「学士(海上保安)」の学位が授与されます。
海上保安大学校での教育期間は本科4年と専攻科6か月の合計4年6か月です。
本科2年次後期から、航海、機関及び情報通信の群に分かれて、それぞれ専門的な知識を習得します。
1学年は45人程度で構成されており、寮生活を行うことで規律を守る生活習慣と一生続く仲間との強い絆が培われます。
文理を超えて幅広い分野を履修します。 | |
外国語 | 英語は必須です。また、ロシア語、中国語、韓国語から1つを選択します。 |
体育 | 柔道、剣道の選択等 |
4年間を通じて学ぶ、国際政治、政策科学、情報科学や気象学といった共通科目と、2年次後期から学ぶ群別科目が存在します。 | |
第一群(航海) | 航海学、海事法、船舶工学等 |
第二群(機関) | 機械力学、製図、船舶設備工学等 |
第三群(情報通信) | 情報通信工学、実験等 |
行政法、国際法等の法律関係や、海上保安制度論、海上犯罪捜査論等の行政学問を学びます。3年次からは更に選択分野を選択し、国際紛争論や海難救助工学等を学びます。 |
映画「海猿」撮影においても使用された潜水プールは平成22年度に改装される予定です。 学生は4年次に潜水訓練も履修します。このほか、学生は小型船舶実習、逮捕術や救急安全法といった実習もあります。 |
課外活動では、サークルも活発に行われています。平成21年は女子カッター(端艇)部が7年ぶりの全国優勝を果たしました。 この他、毎年12名程度が、夏季休暇を利用し、米国、欧州、アジア等で一週間程度の海外交流活動を行います。 |
国際海洋政策研究センターは、国際海洋政策に関する学際的かつ総合的な研究を推進するため、平成14年に設置されました。
国内外研究機関等との幅広い共同研究を推進し、成果についてはIMO等の各種国際会議に発信 しています。国際海洋政策研究センターでは、我が国の海洋政策に関する研究をリードし、海上保安行政のさらなる質の向上を目指します。
これまでの研究内容の一部として、
- 工作船事案及び国際テロ対処に係る法的検討
- 最適な水中音響映像監視手法とシステム構築に関する開発研究
- AISの情報を活用した海上交通評価に関する研究等が行われました。
海上保安大学校では、専攻科在籍時に、約3ヶ月をかけて遠洋航海実習が行われます。学生は、自ら練習船「こじま」を操船して世界を一周します。
また、学生は各国の海上保安機関や国際機関を訪問し、各国の港に寄港することで見聞を広めます。
平成21年は遠洋航海の際にソマリア沖、アデン湾を通過し、その際に海上警備行動を実施中だった護衛艦に遭遇するといったエピソードもあり、学生にとっては世界情勢を肌で感じるよい機会となりました。
平成21年の寄港地及び通過した海域は以下の通りです。
呉港(広島県)→ホノルル港→パナマ運河→ニューヨーク港→ピレウス港(ギリシャ) →スエズ運河→アデン湾→シンガポール港→呉港
航海中にも、米国沿岸警備隊との合同訓練や、自分の専攻以外の業務を体験する転科実習、防火訓練等様々な実習を体験します。
学生が操船する練習船「こじま」 |
遠洋航海へ出港 |
USコーストガードアカデミーを見学 |