ここまでご紹介してきたように、海上保安官は巡視船艇や陸上での勤務、さらに管区を越えての人事異動等、様々なスタイルで業務に取り組んでいきます。
また、団塊の世代が大量退職を迎えていると言われますが海上保安庁も例外ではありません。
ここでは、職業としての「海上保安官」について、もう少し具体的なデータをご紹介します。
海上保安官の給与モデル
海上保安官の給与(諸手当を含む)は、一般職の国家公務員の給与に関する法律等法令の定めに従い支給されています。
以下に海上保安官の月収の例を紹介します。
例1)保安学校卒、大型巡視船の士補、25歳、独身の場合…約28万円
例2)保安大学校卒、大型巡視船の主任、25歳、独身の場合…約30万円
例3)保安学校卒、40歳、既婚、子供2人の場合
陸上勤務(海上保安部の係長)…約42万円
巡視艇船長…………………………約45万円
例4)保安大学校卒、陸上勤務(海上保安部の課長)、40歳、既婚、子供2人の場合…約48万円
※ 各月額に加えて、役職に応じた手当又は超過勤務手当などが支給されます。
【参考】 平成21年国家公務員給与実態調査による一般職国家公務員の平均月額は、平均年齢41.9歳で約40万6千円となっています。
このように、海上保安庁では45歳以上の職員が多く、今後大量退職時代を迎えることになります。今、現場を支える若手職員が求められています。
主計科職員による調理競技会 〜目指せ! 三ツ星巡視船?〜
巡視船艇には主計科と呼ばれる科があります。
主計科の職員は主に庶務や物品管理、調理等を担当し、他の乗組員を支えています。時化の中、大きく揺れる船内でも料理を作る主計科職員は調理のプロといっていい存在です。また船が長い行動に出る際には、料理のレパートリーを増やすことで乗組員の生活のリズムを整えることにもなります。船の乗組員にとっても、その船の料理の味は大いに気になるものであり、どの管区にも有名な主任主計士(料理長といった存在です。)がいるため、異動の時期には話題になることもあります。
第十管区海上保安本部では、平成21年11月に主計科職員の調理技術向上、相互研鑽、創意工夫の促進を目的として調理競技会を開催しました。今回は、巡視船「おおすみ」、「さつま」の2隻が参加し、それぞれの腕をふるいました。
審査に際しては、松浦・永牧両主任主計士から、料理のコンセプト・力点の紹介があり、料理に込める熱い想いが本部長以下の審査員を唸らせていました。
続いて、料理、衛生面など所定の審査項目がチェックされたのち、実際に試食が行われました。
この競技会の様子は、各社ニュース番組で放送され、日頃、縁の下で乗組員の支えになっている主計科職員の士気もさらに高まりました。
|
手際よく盛り付けを進める主計科職員 |
|
職員の健康にも配慮したメニュー |