海上保安学校（京都府）では、海上保安庁の一般職員として必要な知識及び技能の修得と心身の錬成を行います。
　卒業後担当する業務などに合わせて、採用試験受験時に4課程のうちから1つを選択します。教育期間は課程ごとに1〜2年です。
　海上保安学校には、航空課程や海洋科学課程といった海上保安大学校にはない課程も設置されています。
　コース別の授業以外に、基礎教養、英語といった全学生を対象とした共通科目の授業に加え、海上保安大学校と同様に小型船舶操縦実習、練習船「みうら」を用いた乗船実習といった実習科目により、現場における業務に即した訓練を行います。


▲海上保安学校全景

船舶運航システム課程（教育期間1年）

▲小型船舶操縦実習

　巡視船艇に乗り組む海上保安官を育成する課程で、3コースに分けられています。各コース共通で主に警備救難業務を遂行するために必要な知識・技能と、それぞれのコースで船務に必要な知識・技能を修得します。

●航海コース
　巡視船艇の運航を担当する海上保安官（航海科職員）を育成するコースで、船舶運航に必要な知識・技能を修得します。

●機関コース
　巡視船艇の機関運転・整備を担当する海上保安官（機関科職員）を育成するコースで、船舶の機関、電気機器等に関する知識・技能を修得します。

●主計コース
　巡視船艇において経理や調理を担当する海上保安官（主計科職員）を育成するコースで、総務、経理補給、船舶衛生、調理技術等に関する知識・技能を修得します。

　卒業後は三等海上保安士に任官され巡視船艇に配属、海難救助、犯罪捜査などの業務にあたるほか、各コースに応じた船務に従事します。

航空課程（教育期間1年）

　航空機の運航を担当する海上保安官（飛行科職員）を育成する課程で、海上保安業務を遂行するために必要な知識・技能を修得するほか、飛行科職員に必要な数学、物理、英語等を修得します。
　卒業後は三等海上保安士に任官され、引き続き航空研修を受け操縦資格を取得し、全国の航空基地、ヘリコプター搭載型巡視船等で勤務します。

情報システム課程（教育期間2年）

　情報通信システムや航行援助施設の保守・運用を行う海上保安官を育成する課程で、各種機器の取扱いなどに必要な知識・技能を修得します。
　卒業後は二等海上保安士に任官され、船舶運航システム課程と同様に巡視船（通信科）に配属されたり、海上保安部交通課等で海上交通業務に従事します。

海洋科学課程（教育期間1年）

　航海の安全を確保するために必要な様々な海洋データを収集・解析する海上保安官を育成する課程で、海洋の科学的資料の収集・解析に必要な知識・技能を修得します。
　卒業後は三等海上保安士に任官され、本庁や管区本部の海洋情報部に配属され、海洋情報業務に従事します。

■ある日のスケジュール（海上保安学校日課表）


学生生活全般

▲遠泳訓練

　海上保安学校も全寮制です。学生は団体生活を通じ、海上保安官として必要な規律、責任感、協調性、積極性を修得します。

部活動

　海上保安大学校同様、部活動は必修です。


▲食事風景