カリキュラムは文部科学省の大学設置基準に準じており、卒業時には学士の学位が授与されます。教育期間は本科4年と専攻科6か月の合計4年6か月です。
授業は、行政法、国際法、刑法などの法律や海上保安行政に関するもののほか、水泳や逮捕術、小型船舶の操船といった実技の修得などを行います。
2学年後期には、巡視船艇勤務時に担当する船務にかかる専攻分野を選択します。第一群(航海)、第二群(機関)または第三群(情報通信)のいずれかを専攻し、海事関係の知識を修得します。例えば、巡視船艇の船長になるためには、航海士の資格が必要となるため、ここで第一群を選択することとなります。
3学年からは練習船「こじま」を用いた乗船実習を行い、船舶運航の知識、技能を実際の船上で実践し、業務遂行能力を身につけます。
本科を卒業すると三等海上保安正に任官され、引き続き専攻科に進みます。専攻科では、遠洋航海実習でこれまでに学んできた船舶運航技術の総仕上げを行います。
専攻科修了後は、初級幹部として巡視船艇で勤務し、海難救助、犯罪捜査などの業務に従事します。その後は、全国を舞台に陸上勤務、海上勤務を交互に経験しながらキャリアアップしていきます。
▲海上保安大学校全景
▲練習船「こじま」による遠洋航海実習 |
▲乗船実習(天測) |
学生生活全般
海上保安大学校は全寮制です。学生は団体生活を通じ、相互練磨とリーダーシップを体得します。寮では、各学年1名ずつの4名1部屋を基本として生活を送ります。日常生活のほか、全校的な訓練や行事も各部屋単位で参加します。
▲自習室
学習
授業は、学年別や群別専攻別にそれぞれ分かれて受けます。科目によっては座学だけではなく、実際の各種機器類を取り扱う実習や実験、教官と少人数の学生で討議を行うゼミなど、その授業形式もさまざまです。
■ある日のスケジュール(海上保安大学校日課表)
部活動
放課後には、部活動を行います。部活動は「強靱な気力・体力の錬成」を目的としており、全ての学生が体育系の部に所属します。テニス、サッカーなどの一般的なスポーツのほかに、カッター(端艇)、逮捕術といった海上保安庁ならではの部活動もあります。
▲カッター部(全日本カッター競技大会) |
▲卒業式(小泉前首相祝辞) |