海上保安レポート 2004

●はじめに


■TOPICS 海上保安の1年


■特集1 海洋権益の保全とテロ対策

■特集2 海保の救難

1 自然災害への対応

2 海保の救助要員


■本編

治安の確保

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

航海を支える

海をつなぐ連携


海上保安庁の業務・体制


海を仕事に選ぶ


海保の新戦力


その他


資料編


 
特集2 > 海保の救難 > 2 海保の救助要員 > 3 特殊救難隊
特殊救難隊
うみまる うーみんうみまる
「さて、最後は特殊救難隊です。」
うーみん
「SRT。Special Rescue Team の名前 も勇ましいのよね。」
うみまる
「そうだね。海上保安官の中でも、もっとも 困難だと判断される海難救助にいろいろな 知識と鍛えた肉体で立ち向かう、その名の とおり海難救助のスペシャルチームだ。」
うーみん
「オレンジの制服がかっこいいわ。」
うみまる
「隊員数36名、高度な技術を身につけ、特 殊な海難にも対応できる専門の救助資器材を持ち、ジェット機で全国各地の海難救助 に飛び回っているんだ。」
任 務
 特殊救難隊は、潜水作業による転覆船内からの救助作業、ヘリコプターを使用した漂流者や傷病者等の救助、危険物積載船の火災消火、毒物等危険物により汚染された環境下における人命救助等、特に高度な知識・技術を必要とする「特殊海難」に対応することを任務としています。 また、各隊には1名ずつ「救急救命士」を擁しており、傷病者に対して適切な救急救命処置を実施することにより、海上における救急救助体制の一翼を担っています。
特殊救難隊
▲特殊救難隊
沿 革
転覆船内捜索
▲転覆船内捜索
氷下潜水訓練
▲氷下潜水訓練

 特殊救難隊は、昭和49年11月、東京湾で発生したLPGタンカーと貨物船との衝突・火災海難(第拾雄洋丸海難*1)を契機として、特殊な海難に対応するため、昭和51年に隊員5名体制でスタートしました。
 その後種々発生する特殊な海難に対応すべく徐々に組織の充実強化を図り、昭和61年に「羽田特殊救難基地」が設置されました。現在では1隊当たり6名、6隊体制により、海難救助のスペシャルチームとして24時間体制で日本周辺海域において発生する特殊海難に対応しています。発足以来1,600名(平成16年12月末現在)の尊い人命を救助してきました。
 そのほか、国際緊急援助隊の一員として海外における救助活動、外国の海上保安機関等への救難技術の移転等の国際協力業務も実施する等、特殊救難隊の任務は益々多岐にわたっています。
人 選
 潜水士の中から、希望及び適性により選抜されます。
訓 練
 特殊救難隊は、機動救難士や潜水士が行っている訓練に加えて、消火作業
訓練、危険物が存在する有害区域での捜索訓練や特殊な資器材の取扱い訓練
を日常的に行うほか、機会を捉えてこれらの訓練に必要な専門的知識の習得
に努めています。
国際緊急援助隊としての出動
 平成16年12月に発生したインドネシア・スマトラ沖大地震及びインド洋津波被害に際し、特殊救難隊員5名が国際緊急援助隊として派遣され、行方不明者の捜索救助活動を実施しました。
消火作業訓練
▲消火作業訓練