海上保安レポート 2004

●はじめに


■TOPICS 海上保安の1年


■特集1 海洋権益の保全とテロ対策

■特集2 海保の救難

1 自然災害への対応

2 海保の救助要員


■本編

治安の確保

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

航海を支える

海をつなぐ連携


海上保安庁の業務・体制


海を仕事に選ぶ


海保の新戦力


その他


資料編


 
特集2 > 海保の救難 > 1 自然災害への対応 >コラム SOS!ヘリコプターによる孤立住民の救助
SOS! ヘリコプターによる孤立住民の救助
 第九管区海上保安本部からの命令を受け、すぐさま新潟航空基地を出発し、小千谷市寺沢地区の孤立者救助に向かった。
 上空から見た被災地は想像を超える有様であり、乗員一同絶句。
 着陸場所を探すと「SOS」と書かれた東山小学校のグラウンドを発見した。
 狭あいな谷間を縫うように飛行し、着陸のために進入しつつ見下ろすと、そのグラウンドには多数の地割れ、段差に加え校庭の周りにはフェンスが張り巡らされており、着陸をちゅうちょした。
 ひとまず、レスキューホイストで乗員を降下させて状況調査を実施し、そこにいた孤立者2名を吊り上げて救助したが、次に運ばれてきたのは寝たきりの老人だった。
 「地盤がかなり緩んでいる。ヘリコプターの重量に耐えられるか!?」
 しかし、救助者の状態を考えると着陸しての救助が最善だ!
 …「よし、着陸しよう」
 細心の注意を払いつつ着陸する。機体が若干傾く……救助者を乗せてすぐさま離陸した。
 約8分後、無事、臨時へリポートに着陸して救急車に引き継いだ。
 当日はその後も当庁ヘリコプター6機のピストン輸送により、東山小学校から、孤立住民168名の空輸にあたった。
グラウンドに着陸したヘリコプター
▲グラウンドに着陸したヘリコプター