海上保安レポート 2004
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●長官からのメッセージ

■TOPICS 海上保安の1年

■数字で見る海上保安庁
■海上保安庁の体制・業務
■特集 海の犯罪・海保の対応
■本編

・海上交通の安全のために
・人の命を救うために
・安心できる暮らしと環境を守るために

・国内外関係機関との連携・協力
・海上保安庁を支える装備等
・海上保安官になるために

●海上保安Q&A
●船艇紹介
●地方探訪
●航空機の歴史


本編 > 安心できる暮らしと環境を守るために > 2 > 4 > [1] 環境保全対策



 海上保安庁では目標を達成するために、


 (1) 国民の環境保全意識を高め、海洋汚染を未然に防止することを目的とした「指導・啓発活動」
 (2) 海洋汚染の現状を把握し、その情報を提供することを目的とした「海洋汚染調査」
 (3) 各種法令違反を摘発し、原状回復を図る「監視取締り」


という手法を組み合わせて用い、環境保全対策に取り組んでいます。


 海を職場とする海事・漁業関係者に対し、船や職場を訪問して、不注意による油などの排出を防止するための技術的な指導、廃棄物の適正処理の指導、油等の違法排出を防止するための関係法令の周知などを行います。
 また、一般市民、特に次世代を担う子どもたちに対しては、海岸漂着ゴミ分類調査、現役海上保安官が作成した環境紙芝居の上演、水質検査実験等の環境教室、「未来に残そう青い海」図画コンクールを通じ、幼い頃から環境保全の心を持ってもらえるように指導・啓発を行います。

訪船指導の状況

(写真)訪船指導の状況

漂着ゴミを分類調査する子どもたち

(写真)漂着ゴミを分類調査する子どもたち


環境ボランティアチームの発足
 第三管区海上保安本部(神奈川県横浜市)は、平成15年7月、海洋環境保全のための指導啓発活動をより効果的に実施するための活動基盤として「未来に残そう青い海」ボランティアチームを発足させました。
 このチームには、会社員、学生、主婦など約60名(平成16年3月現在)が登録しており、発足以来、川崎みなと祭りや、鶴見臨海フェスティバルなどの地域活動において海上保安官とともに海洋環境保全の重要性を直接市民に呼び掛けました。この活動に参加した子どもたちは、ボランティアのメンバーが行った環境紙芝居を熱心に聞き入っていました。
 また、チームのメンバーに対しても海洋環境保全講習会を行い、海洋環境に関する知識を深めてもらいました。
 講習会に参加したメンバーからは「港の中が汚れているのは知っていたが、沖合もかなり汚れているのが分かった。」「地球規模で環境保全の必要があるということがよく理解できた。」などの声が聞かれました。

海洋環境保全講習会の様子

(写真)海洋環境保全講習会の様子

ボランティアチームの活動の様子

(写真)ボランティアチームの活動の様子



海上保安庁Q&A 広い海だから、ちょっとくらい汚してもいいんじゃないの?


 我が国周辺海域、閉鎖性の高い海域や海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(いわゆる海洋汚染防止法)で定められた廃棄物排出海域(A海域)において定期的に海水や海底堆積物を採取し、石油、PCB*1、重金属等の調査を行っています。

【排出海域】

【排出海域】

 また、大規模油流出事故が発生した際は緊急に汚染調査を実施するほか、閉鎖性の高い海域において海底堆積物を採取し、新たな海洋汚染物質で環境ホルモン*2として危惧される有機スズ化合物*3の一つであるTBT*4の調査を実施するなど、変化する海洋環境問題に積極的に対応しています。
 さらに、従来から我が国周辺海域等における海水及び海底土中の放射能調査も実施しています。
 これらの調査結果は、報告書として関係機関に送付するとともに、インターネットで公開するなど、国民の海洋環境保全に対する関心を高め海洋汚染の防止に役立てています。

採泥の様子

(写真)採泥の様子


特集「海の犯罪・海保の対応」、[3]目前の犯罪への対応、4 海上環境事犯対策を参照して下さい。

海上保安庁Q&A 海上保安官は船酔いしないの?