海上保安レポート 2004
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本編 > 安心できる暮らしと環境を守るために > 2 > 3 > [2] 主な海洋汚染事例



 海岸に漂着するゴミには、ビニールやプラスチック、タバコのフィルターといった石油化学製品が多くの割合を占めています。通常、石油化学製品は細かい破片になってもそれ以上分解しないため、回収しない限り増える一方です。これら石油化学製品を海洋生物が誤って食べるなど海洋生態系への悪影響が懸念されています。

海岸に漂着したゴミ

(写真)海岸に漂着したゴミ

 下の図は、主に平成15年6月と11月の海洋環境保全推進週間にあわせて全国各地において110回行った海岸漂着ゴミ分類調査をまとめた漂着ゴミマップです。石油化学製品が大部分を占めており、これら漂着ゴミのうちのほとんどが日常生活から発生する身近なものでした。

【平成15年度 全国漂着ゴミマップ】

全国漂着ゴミマップ】


 乗揚げ、沈没等により動けなくなり、責任者である船舶所有者がこれを撤去せず、そのまま放置されている外国船舶は、平成16年3月末現在日本全国で10隻あります。これに起因する油濁事故や船舶の撤去等は、責任者である船舶所有者等が賠償し、措置等を行うのが原則です。しかし保険に加入していない等の事情により、これを行わないケースが問題となっており、このような場合、船舶所有者に対しては、外交ルートを通じた船体撤去指導等を行っています。
 なお、船舶所有者に代わってやむを得ず油防除や船舶撤去を行う地方公共団体に対し、国が一定の支援を行う制度が創設されました。また、改正後の船舶油濁損害賠償保障法により、船舶所有者等への保険加入の義務付け等が行われることとなっています。

北朝鮮籍貨物船「チルソン」号

(写真)北朝鮮籍貨物船「チルソン」号