海上保安レポート 2004
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・海上交通の安全のために

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・海上保安官になるために

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本編 > 海上交通の安全のために > 1 > 4 > [1] 主要船舶交通ルートにおける新たな船舶交通体系の構築を目指して


 我が国の経済社会を支える主要船舶交通ルートと周辺海域を対象として、船舶航行の安全性と海上輸送の効率性を両立させた船舶交通環境を創出するため、関係省庁と連携し、ハードとソフトを効果的に連携させた「海上ハイウェイネットワークの構築」を推進し、安心かつ快適に通航できる新たな交通体系を構築します。
 このため海上保安庁では、「AISを活用した次世代型航行支援システムの構築」、「船舶交通の効率化に向けた船舶交通体系の検討」、「海上交通情報機構の拡充」及び「航路標識の高機能化・高規格化及び機能維持」を更に推進します。

【海上ハイウェイネットワークの構築】〜安全かつ効率的な船舶航行の実現〜

【海上ハイウェイネットワークの構築】〜安全かつ効率的な船舶航行の実現〜


 東京湾では、平成16年7月から、AISを活用した次世代型航行支援システムの運用を開始します。これによりAIS搭載船舶については、巨大船等が航路へ入る際に行わなければならない海上交通センターへの位置通報の自動化が可能となり、通航船舶の利便性の向上が期待されます。また、情報提供サービス対象船舶がAIS搭載船舶に拡大することから安全性の向上も期待されます。さらには、AIS情報により管制対象船舶の動静を把握することができるエリアが拡大することから、更なる効率的な航行管制も可能となっていきます。
 平成16年度は、伊勢湾、備讃海域及び関門海域へこのシステムの導入を進める予定です。また、今後その他のふくそう海域についても導入を推進していくこととしています。


 平成19年の東京湾口航路整備事業の完了にあわせ、東京湾の海上交通環境の変化に対応した新たな船舶交通体系について、安全性と効率性の両面から評価・検討を行い、平成16年3月に調査・検討結果を取りまとめました。今後は、その具現化に向けた作業を進め、新たな船舶交通体系の導入を目指します。また、平成16年度からは、伊勢湾において新たな船舶交通体系の構築に向けた検討を開始します。


 海上交通センターは、巨大船等に対し航行管制を行うとともに、レーダー等を利用して、船舶の動静等を把握・分析し、航行船舶に対する情報提供や航路しょう戒を行う巡視船艇と連携して航法指導等を行っています。
 備讃瀬戸海上交通センターでは、備讃海域東部地区への新たなレーダー局の増設を行う等、平成17年度には、備讃瀬戸東航路全域に海上交通情報機構の拡充が終了し、サービスエリアが拡大される予定です。これにより、海上交通安全法適用海域すべての航路において、情報提供及び航行管制の一元的サービスが実施されます。

【海上交通情報機構の拡充】

【海上交通情報機構の拡充】


 航路標識の高機能化・高規格化は、航路標識の視認性、識別性等を向上するものであり、船舶交通の安全性と運航能率の向上に大きな効果があります。
 高機能化については、平成15年度までに423基の整備が完了し、順次ふくそう海域の航路における整備を推進していきます。高規格化については、東京湾から順次整備を推進し、平成15年度までに105基の整備が完了しています。
 また、引き続き、航路標識の運用率99.8%以上を目指して取り組んでいきます。

【ふくそう海域における航路標識の高機能化・高規格化】

【ふくそう海域における航路標識の高機能化・高規格化】