海上保安レポート 2004
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本編 > 海上交通の安全のために > 1 > 3 海難の調査・分析


 船舶交通の安全を確保するためには、海難を防止することが重要です。このため、海上保安庁が関与した海難の調査を行い、海難の発生状況や原因を的確に分析し、より一層の効果的な海難の防止対策を講じていくこととしています。ここでは、目標の1つである「死亡・行方不明者を伴う海難」に関して若干分析してみます。

グラフ1 死亡・行方不明者を伴う海難種類別隻数の推移

死亡・行方不明者を伴う海難種類別隻数の推移
グラフ2 平成15年の死亡・行方不明者を伴う転覆海難の原因

平成15年の死亡・行方不明者を伴う転覆海難の原因
グラフ3 平成15年の死亡・行方不明者を伴う衝突海難の原因

平成15年の死亡・行方不明者を伴う衝突海難の原因

 グラフ1に示すとおり、毎年、転覆と衝突が他の海難種類に比べて非常に多く発生しています。
 死亡・行方不明者を伴う海難船舶隻数の約84%が漁船とプレジャーボートであり、これらの転覆原因の46%が「気象海象の不注意」、衝突原因の82%が「見張不十分」と、海難発生原因に大きな特徴がうかがえます。
 これら船舶は他の一般船舶より小型であり、気象海象の影響を受け短時間に転覆に至りやすいこと、衝突の衝撃による海中転落など、乗員の生命に危険が及ぶ可能性が高いことが、死亡・行方不明者を伴う海難の大多数を占めていると推定されます。
 さらに、これらの海難データから、気象海象状況の把握が不十分であったり、漁船の操業中やプレジャーボートの釣り中など航行中以外の状況で多く発生していることがうかがえます。
 海上保安庁では、漁船、プレジャーボートの効果的な海難の防止を行うため、
 (1) 気象海象情報収集の徹底
 (2) 見張りの励行
による海難の未然防止を重点的に指導するとともに、気象海象情報をはじめとする船
舶交通の安全のための様々な情報提供の充実にも努めています。

海上保安庁Q&A 海に信号機はあるの?